最近コロナ禍の自粛で太ってしまったとか、逆にダイエットしてやせたとかの話をよく聞く。男性も女性も、メタボや太り過ぎは好ましくないので、食事制限や運動で適正な体重管理をするのは良いことだと思う。しかし太っていないのに、やせたいと願っている女性は多いようである。

 体格の指標には通常、BMI([体重・キロ]÷[身長・メートルの2乗])が用いられる。健康な適正BMIは21~22で、18.5未満がやせ、25以上が肥満となる。厚生労働省の調査では、20代女性の20%以上がやせで、世界的にみても日本はやせ大国である。

 あるアンケートでは女性の7割がやせたいと答えており、多くの女性が「やせ願望」やダイエット経験を持つ。実はやせる必要がないのに、偏った食生活や繰り返すダイエットは、女性の健康に大きな問題を及ぼしている。

 やせることは、問題なのだろうか? 立ちくらみ、朝起きられない、冷え性、肩こり、むくみ、月経前の不調(月経前症候群=PMS)など、多くは食生活の乱れが一因である。やせのみならず肥満の場合も、偏った食事により栄養障害は起こり得る。まさか自分が栄養不足だとは思っておらず、聞けばみんなちゃんと食べていると答える。

 しかし、タンパク質、鉄、亜鉛、ビタミン、葉酸など、ほとんどの女性で足りていない。適切な食事改善やサプリメント、少しの運動習慣で多くの不調のみならず、肌荒れや便通も良くなり体は引き締まり、見た目がキレイになる。

 最近は、暑くても、運動しても汗をかかない女性が増えている。代謝が落ちているので低体温で体はだるい、ダイエットもうまくいかない。キレイになりたければ、食べて筋トレで筋肉をつけ、代謝を上げる方が効果的と指導している。食後の運動は、摂取した糖を代謝してくれるのでさらに良い。

 近年、低体重で生まれてくる赤ちゃんが増えている。女性のやせ傾向、栄養不足が原因の一つと考えられている。「小さく産んで大きく育てる」は、昔の話。栄養不足で小さく生まれた赤ちゃんは、栄養を吸収しやすい体質になるため、大人になるにつれて肥満傾向となり、将来メタボや高血圧、糖尿病などの生活習慣病になりやすい。

 将来の病気は、お母さんのおなかの中にいる時から始まっているのである。妊娠前の葉酸不足により、赤ちゃんの二分脊椎などの病気が増えることもわかっており、妊娠に気付いてからではなく、妊娠する前からの適切な食生活が自身の健康の維持・増進と、将来生まれてくる子どもの健康にとって大切である。

 適正体重の維持とバランスの取れた食生活、少しの運動習慣で今の元気とキレイ、さらに未来の可能性を手に入れることを目指してみてはいかがか。



産科婦人科舘出張佐藤病院院長 佐藤雄一 高崎市竜見町

 【略歴】佐藤病院グループ代表。産婦人科専門医。生殖内分泌や腹ふくくう腔鏡手術が専門で、2007年に不妊治療専門施設を高崎市内に設立。順天堂大医学部卒。

2020/7/17掲載