自分の成長を測るとしたらどんな物差しで測りますか? その物差しは、「できた」「できない」という、ゼロイチ思考のデジタル物差しですか。

 2人の息子の高校、大学受験期のことです。結果を測る基準は「合格」「不合格」の二つ。この二つに息子たちの思考はとらわれていました。合格は「できた」。不合格は「できない」という思考です。

 受験勉強はある期間を通して「学問」という能力を伸ばす期間ともいえます。受験勉強を始めたときの能力と3カ月後の能力を比べます。

 実力を測るために、模擬試験を受けます。得点、判定基準から実力を測る機会があります。実力を測る物差しは4~5段階です。ここでの評価は相対評価です。同じ受験生との比較で評価を受けます。知識を積み重ねても、評価対象となる周りの人が、息子よりも知識を積み重ねたとしたら、評価は低くなります。

 相対評価、これがくせ者です。知識を積み重ねたと思っていても、相対評価が低くなると、息子はこう思います。「やってきたことが無駄になった」と。

 受験は結果が全てと思っているので、結果を見て期待した通りでないと、勉強することが「無駄」になったと決めつけました。そして、受験勉強を継続するエネルギーを失いました。モチベーションも下がってしまいました。その結果、知識を積み重ねる行為、成長するための行動をやめてしまいました。

 必ず知識は積み重なっています。本を読み、問題を解いて、参考書から問題を解くための方法論を得ています。だから知識は増えています。それが事実なのにです。

 自らの能力を伸ばす、成長することで目標を達成する確率が高くなります。成長を測るための目盛りは単純なほど明確ではあります。良い方になればモチベーションも上がり、エネルギーも高まります。悪い方になれば、モチベーションやエネルギーは下がります。私たちは自分自身の中に成長を測る物差しを持っています。成長を測るための目盛りが二つだとしたら、成長を効果的に測れるでしょうか?

 ゼロイチ思考でモチベーションを失った息子に、私はアナログな物差しを提供しました。数カ月前から現在までの知識量をアナログな物差しで測ることを提案しました。その結果、息子は自らの成長を実感しエネルギーを蓄えることが可能になったのです。そして志望校に合格しました。

 目標を達成する確率を上げる有効な手段は、行動を継続することです。それには、モチベーションとエネルギーを要します。継続のポイントは成長を実感することです。デジタルな物差しよりも、アナログな物差しの方が有効なのです。アナログな物差しを持つことをお勧めします。



ホット・コミュニケーションズ代表 茂木ゆういち 前橋市日吉町

 【略歴】プロ・コーチ。公務員を経て独立。夢をかなえたい挑戦者を支援、潜在能力を最大化し、行動を促進し継続させる目標達成支援の専門家。前橋高―新潟大卒。

2020/07/06掲載