6月は小梅や青梅の出荷が始まり、月末まで続きます。群馬県は和歌山県に次ぎ、全国第2位の梅の生産量を誇っていますが、農林水産省の調べによると、2019年度の和歌山県の結果樹面積は4960ヘクタールに対して、群馬県は929ヘクタールと約5.3倍の差があります。

 梅の収穫量はというと、全国で8万8100トンある中で和歌山県だけで5万7500トンとなっており、出荷量もほぼ同量です。群馬県は収穫量4240トン、出荷量3890トンと、収穫量だけでも13.5倍の差があるということにがくぜんとします。

 全国的に梅林の面積や収量は年々減少しており、今年も生育不良になっているところも見受けられ、このままだと、20年度も減少していく傾向かもしれません。

 そうした中、秋間梅林では昨年度から新たな取り組みをスタートしました。それは安中秋間小と連携して小学校の「総合的な学習の時間」を活用し、全学年が「梅に関わる体験学習」を行うというものです。

 今年は昨年度のような内容での実施は難しいため、例年通りの内容とはいきませんが、昨年度は3年生が中心となり、梅もぎ、肥料やり、剪定(せんてい)と、1年間行っているウメ農家の生業をウメ農家自らが指導者となって一緒に行いました。時には暑い日に、時には寒い日に。暑い日は作業が終わったら梅ジュースやふかしたジャガイモを食べるなど農家の10時の休憩のように交流を深めながら、楽しい作業でした。

 1・2年生は作業が難しいため、梅林で花が咲く頃に大きな画用紙いっぱいに梅林の花を描きました。作品は秋間梅林開園中に飾らせてもらいました。

 作業だけではなく、地元小学校の栄養教諭の働きかけで、学校給食に秋間梅林の梅を使ったメニューが出来上がりました。梅を育て、育てた梅を加工し、加工された梅を給食で食べるという、食育にもつながっていく大きなプロジェクトになったのです。

 仲間のおばあちゃんが「学校の給食に梅干しが並ぶ日が来るなんて思わなかったんよ」と、うれしそうにつぶやいていたのが印象的でした。

 今まで梅林で収穫や剪定中は黙々と作業していましたが、子どもたちの声が響く梅林というのは本当に心地いいものです。この梅林を未来に残すためにはまずは地元の方に梅林の存在を知ってもらうこと、群馬県の特産品である梅を絶やさないためには、子どもたちと一緒に育て、守り続けていく活動を数多くの場所に広げていき、小さい頃から郷土愛を育んでいくことが必要なのではないかと考えています。

 また、子どもたちの声が響く日が来るまで、せっせと畑仕事に精を出す毎日です。



秋間梅林観光協会会員 福田青葉 高崎市中里町

 【略歴】安中総合学園高の実習教員を経て、2018年から現職。農作業に励みながら、営業担当として秋間梅林の魅力を発信する。高崎市出身。東京農業大卒。

2020/06/13掲載