新型コロナウイルスの影響で予想外の予定変更など大変な思いをしている人も多いと思います。なるべく早く終息することを願っています。

 その影響で私が所属している高校では、卒業式と入学式、終業式と始業式も通常のようには行われず、少し残念な気持ちでいます。しかし、生徒をはじめ、関わる全ての人たちのことを考えると、仕方ない状況であったと思っています。

 3月1日、3年前に初めて担任を持ったクラスの生徒たちを教室での卒業式という形で送りました。3年間持ち上がりで彼らの担任として、たくさんの時間を一緒に過ごしました。3年前、彼らが入学をしてからあっという間の3年間でした。

 少しでも彼らの「成長」の手助けをするために、私自身も学び続け、彼らと一緒に成長するつもりで3年間を過ごしました。私からのアプローチを彼らがどう感じて、どう捉えて、どう自分の力に変えたかは分かりません。ですが、「霜村がそんなこと言っていたな」と、いつか気付き、自分なりに生かして成長のきっかけになる日が来てくれればいいかなと思っています。

 「転ばぬ先の杖(つえ)」ということわざがあります。失敗しないように前もって準備や用心をすることという意味です。

 失敗をすることが悪いことではありません。失敗から学ぶこともあります。しかし、なるべくなら失敗を避けて成長していけることが好ましいと思います。そのために、いつ起こるか分からないこと、いつ使うか分からないものも日ごろから準備をしておくことが大事だと思います。

 その一つとして「学ぶ」ことがその準備につながります。何も起きないように、もしくは起きてしまってからでも対応できるように、解決できるように知識をためていくのです。その学びが結果として自身の成長や周りに良い影響を与えられたなら最高ですね。そして、学ぶだけで満足するのではなく学んだことを生かして行動に移すことも重要です。そのアクションが自身の力になる大切なプロセスだと思います。

 これからの時代がどうなっていくか、自分に何が起こるかは誰も分かりません。だからこそ、今自分ができることに目を向け、将来役に立つアクションを起こしていくことが、結果として将来につながっていくのではないでしょうか。

 きっかけはなんでも良いと思います。私も生徒たちがいたから成長できました。彼らのおかげで学ぶ機会を得られました。彼らにそれが生きているかは分かりませんが、この3年間で私も成長できたと思います。転ばぬ先の杖としてためた知識で、自身や周りの成長につなげられるように、また、そういう環境・文化が当たり前になるようにしていきたいと思っています。



桐生第一高教諭、同ラグビー部監督 霜村誠一 桐生市菱町

 【略歴】ラグビーの三洋電機(現パナソニック)でバックスとして活躍。主将を4季務め日本選手権3連覇に貢献。日本代表(6キャップ)。農大二高―関東学院大卒。

2020/5/1掲載