自民党が大勝した参院選から一夜明けた11日、群馬県内の経営者からは、安定的な政権運営による経済政策を期待する声が上がった。物価高など経営を取り巻く環境は厳しさを増しており、経営者の多くが新たな物価高対策や、観光支援事業の継続を政府に求めた。

 同日の東京株式市場の日経平均株価は、岸田政権の継続を好感してほぼ全面高となり、平均株価の上げ幅は一時500円を超え、2万7000円台を付ける場面もあった。「参院選で自民が圧勝し、しばらく国政選挙もない。岸田文雄政権の安定を市場も好感した」。富岡証券(富岡市)の松井徹郎社長(72)は、同日の株価上昇をこう分析する。

 一方で、新型コロナの感染者が増加に転じ、ウクライナ危機も先行きが不透明なままだ。松井社長は「このまま上昇トレンドに乗るか否かは現時点では分からない。岸田首相の政治手腕に、市場も注目している」とした。

 政府にとっての当面の課題は、円安や原材料費の値上げによる物価高対策だ。金属加工業の群協製作所(高崎市)によると、2~3年前と比べ、原材料の銅の価格は2倍、鉄やステンレスの価格は1.5倍に上がった。遠山昇社長(60)は「製造業にもガソリン価格のような補助金を出す価格抑制策を望みたい。政府に助けてほしい」と要望する。

 クリーニング業界では、機器を動かす燃料の重油が国の補助金支給の対象となっている。第一ドライ(安中市)の堤一彦社長(70)は「重油の価格抑制がなければ、クリーニングをすればするほど赤字になるレベル」と打ち明ける。同社の需要は観光客数に左右されることから「旅行需要の喚起を」と訴える。

 観光施策を巡っては、観光支援事業「県民割」の期限が14日に迫る。県民割の財源は国から拠出されているが、全国旅行支援の開始を含めて先行きの見通しが立っていない。

 四万温泉(中之条町)の「時わすれの宿 佳元」の田村佳之社長(51)は「地域の経済のためにも県民割の継続をお願いしたい。予定を組みながら人員配置をしているので、お客さんにも旅館にも迷惑にならない施策にしてほしい」と強調する。

 与党の圧勝となった参院選を受け、群馬経済同友会の斎藤一雄代表幹事は11日、「骨太の方針で示した新しい資本主義を実現するための実効性のある政策を実施してほしい」とコメントした。