2回表無死、内野安打を放つ前橋西(5校連合)の坂部=小倉クラッチ

 試合終了の瞬間、天を仰ぐと涙がこぼれた。1年生2人を迎えた今春までの約8カ月間、部員は自分1人だった。「勝つため」ではなく、「楽しむ野球」で満足なはずだったのに。不思議と涙が止まらなかった。

 少年野球チームも中学校の野球部も、同学年の選手が多く強豪だった。県大会出場は当然とされ、さらに上を目指す指導は厳しかった。勝ち上がる喜びと裏腹に、プレーは萎縮していった。「打てるかな」「エラーしちゃったら」。弱気が振り払えず、息苦しかった。

 中学3年になり、多くの仲間が強豪校に進学を志望した。...