含鉄泉の温泉をアピールするはまゆう山荘の塚越育法支配人

 幕末の偉人、小栗上野介忠順を縁にして建てられた群馬県高崎市倉渕町川浦の市有宿泊施設、はまゆう山荘が35周年を迎えた。温泉の泉質が県内唯一の「含鉄泉」であることを押し出すほか、地元産の川魚を使った料理の新メニューやジャズイベントなどを通して、記念の年を盛り上げていく。

 同山荘は1987年5月、神奈川県横須賀市の保養施設として開館。同市発展の端緒となった横須賀製鉄所の建設を幕臣として進めた小栗の領地があり、終えんの地となった旧倉渕村が建設地に選ばれた。2005年10月に同村に無償譲渡され、06年1月の合併で高崎市所有になった。

 含鉄泉は有馬温泉(兵庫県)などが有名。群馬県薬務課によると、単純温泉、硫酸塩泉など10ある泉質のうち、含鉄泉が利用できる県内施設は現在、同山荘だけという。

 同山荘は09年に温泉を持って以降、塩化物泉として知られてきた。18年に実施した成分分析の結果、含鉄泉に分類される基準値以上の鉄イオンが検出された。泉質名の変化を意識してこなかったが、「県内唯一」と聞き付け、22年に入ってホームページに掲載するなどPRを始めた。

 塚越育法支配人(58)は「黄金色から茶褐色に変わったことは気付いていたが、県内唯一であることや成分の豊富さが分かり、驚いている」と話し、集客に生かしていく考え。泉質別適応症として「冷え性」を掲示している。

 日本のジャズ発祥地とされる横須賀市との交流から1998年に始まり、同山荘で開催してきた「ぐんまジャズフェスティバル」は、記念の年に復活へ向けて動き出す。新型コロナウイルス感染症の影響で2年続けて中止になる中、ウッドベースの第一人者、河上修さんを9月に招く予定。ジャズの火を消さず、次年度以降のフェスにつなげることを狙う。

 清流のイメージを生かした料理の新メニューも35周年の目玉。地元養魚場のギンヒカリ、イワナ、アカマスの川魚3種を使ったお造りが楽しめる宿泊プランを設けた。川魚はランチメニュー「渓流魚の森 天丼」でも提供する。

 塚越支配人は「希少性の高い湯として楽しんでもらえる。高崎市民の方には別荘のように利用してほしい」と話している。