寄付された食料品を仕分ける宮内所長=フードバンクまえばし

 食料品の寄付を募り、必要な人に無料で提供する「フードバンク」の活動に物価高の影響が及んでいる。コロナ禍に伴う生活への打撃に食料品の値上げが加わり、利用者が増えて在庫が減少、一時的に提供量を減らすケースなどがあった。今後も続く食料品値上げで寄付が減る懸念もあり、運営団体は「企業や家庭で余っている食材があったら捨てずに持ってきてほしい」と呼びかけている。

 群馬県前橋市の委託を受けてNPO法人三松会(館林市)が運営するフードバンクまえばし(宮内亜衣子所長)によると、食料品の提供件数は平均的な月が50~70件なのに対し、3月は92件、4月は86件、5月は106件と大きく上回った。

 特に5月はこれまでで最多だった2020年5月の165件に次いで多かった。利用増に伴い備蓄が不足して対応に苦慮。在庫と利用者の状況などを見極めながら工夫したが、4、5月は1週間分のコメの提供量を通常の2キロから1キロに減らしたり、菓子を付けるのを見送ったりといった対応を迫られたという。

 6月に65件と落ち着いたことなどから在庫は回復しつつあるが、夏にかけて食料品のさらなる値上げが予定され、今後も不安定な状態が続く見通し。企業や家庭は購入後、一定期間を経て余った食品を寄付に回すケースが多いことから、宮内所長は「物価高などによる家庭の買い控えの影響はもう少し先に来るのではないか」と懸念する。

 フードバンクを設置している飲食店兼コミュニティースペース「だれでもキッチン」(前橋市)も同様の状況という。運営するボランティア団体「スリージェネレーションズ」の山川利恵子代表(41)によると、フードバンクや飲食店の利用者から「値上げで生活費がかさんでいる」といった相談が寄せられた。

 山川代表は「食品ロス対策としてもフードバンクへの寄付は重要」と積極的な寄付を呼びかけている。