▼〈太陽だ 太陽が昇って来たよ だから言うよ もう大丈夫〉。ビートルズのジョージ・ハリスンが作詞作曲した傑作の一つ「ヒア・カムズ・ザ・サン」の一節である

 ▼バンド解散前年の1969年のある日、「冬が永遠に続くような」日々に嫌気が差し、仕事をサボって親友のエリック・クラプトン宅を訪れた。庭を散歩していると安らかな気持ちになり、ギターを借りて書いたという。温かな希望に包まれる曲だ

 ▼老舗ライブハウス「高崎クラブフリーズ」が先月、入居ビルの売却に伴い18年にわたる営業を終えた。若者が集い、市街地のにぎわいに貢献してきたロックの聖地だった

 ▼コロナ禍で経営が苦しくなり、クラウドファンディングで支援を募ると、多くのミュージシャンやファンがピンチを救った。そんな皆に愛され、音楽のまちを彩った施設がなくなるという衝撃は大きかった

 ▼だが一転、創業地である前橋市の中心街に移り、年内再開を目指すことが明らかになった。市と連携してイベントや野外ライブ、コンテストも行うという。音楽を通じたまちなか活性化の弾みになると期待される

 ▼ベイシア文化ホール(県民会館)の小ホールが3月末に閉鎖された。大ホールは利用できるとはいえ、県都を象徴する施設の利用制限は寂しさを感じさせるニュースだった。そんな中でライブハウス移転は一筋の光。新たな希望となることを願う。