がん治療による脱毛や乳房の切除手術を経験した患者が購入する医療用ウィッグ(かつら)や胸部補整具について、群馬県内35市町村のうち高崎、桐生、大泉など13市町が補助制度を導入していることが、上毛新聞のまとめで分かった。ウィッグ、胸部補整具を合わせた申請件数は昨年度末時点で計約860件に上る。働きながら治療する時代になった一方、外見の変化に悩む患者も少なくないことから、精神的、経済的な負担を軽減し、生活の質向上につなげている。

 高崎、太田両市は県内で最も早い2019年度に制度を取り入れた。市民らからの要望を受け導入した高崎市は、ウィッグと胸部補整具などを合わせて1人1回申請でき、助成額は上限3万円。太田市はウィッグが上限3万円、胸部補整具が同1万円の助成で、各1回申請できる。

 20年度に沼田、富岡、千代田の3市町、21年度に渋川、大泉の2市町、本年度に前橋、桐生、伊勢崎、館林、安中、みどりの6市が導入した。

 桐生市はウィッグ3万~4万円、胸部補整のパッドや下着千~5千円、欠損した体表に取り付ける人工物「エピテーゼ」20万~30万円程度の購入費を想定。ウィッグは上限2万円、胸部補整具は同3万円、エピテーゼは同5万円を支給する。1人当たり各1回申請でき、最大10万円の助成となる。導入を決めた理由について、同市は「女性の社会復帰を手厚く支えようという全国的な流れがある」と説明。前橋市は「容姿が気になる」という患者の声を反映させたとしている。

 昨年度までの申請は、高崎市531件、太田市253件。昨年度開始の渋川市は31件、大泉町は10件となっている。

 県内の乳がん経験者でつくる「1.2の3で温泉に入る会ぐんま」の武井芳恵会長(73)は「制度の広がりはうれしい。がん患者の経済的な負担は大きく、社会復帰を後押ししてくれることは心強い」と話している。