JR新前橋駅付近を飛ぶムクドリ=6月25日午後6時55分ごろ
JR新前橋駅近くの街路樹に集まるムクドリ。大きな鳴き声が辺りに響いていた=7月上旬

 前橋市内の街路樹に野鳥のムクドリの大群がすみ着き、騒々しい鳴き声やふんに周辺の店や学校が悩まされている。これまでも街路樹の枝を切ったり、大きな音で脅かしたりして追い払ってきたが、しばらくすると戻ってきて…の繰り返し。人間の攻め手が限られることを見切っているのか、ムクドリたちはのらりくらりと居座り続けている。

夕暮れ時に大群が出現

 前橋市西部のJR新前橋駅前。夕暮れ時、空にムクドリの影が次々に現れる。数はしだいに膨らみ、数百羽がひとかたまりになって飛び回ったり、電線で羽を休めたり。しばらくすると街路樹の茂みに集まり、高い声で鳴き始める。無数のけたたましい鳴き声が響き渡るのは、ちょっと異様な光景だ。

 新前橋商工会長の福田俊昭さん(65)によると、駅周辺でムクドリが目立つようになったのは4、5年ほど前。ふんが通行人の頭上から落ちてくることもあり、周辺の飲食店を困らせている。ムクドリが集まらないよう、群馬県や前橋市に街路樹の枝を切ってもらったものの、枝葉が伸びるにつれまた姿を現したという。野鳥のため駆除は難しく、「なんとかしたいが、どうしたらいいか…」と頭を悩ませる。

 同駅近くで専門学校を運営する中央カレッジグループも、周辺の街路樹に大群がすみ着いている。数年前には、ムクドリが嫌う音を聞かせて追い払うことに成功しており、今年も対策を行うか検討中だ。

人間をガードマンに

 なぜ人通りの多い場所を好むのか。日本野鳥の会群馬の事務局長、小林広喜さん(75)は「市街地は天敵の猛禽類やヘビが近寄りにくい。人間をガードマンのように利用しているのではないか」と推測する。日中はばらばらに餌を探して飛び回り、夜になると群れを成してねぐらに戻るという。大群を形成するのも、「みんなでいれば怖くない、ということだろう」とみる。

 ムクドリは子育てが終わった夏にこうした大群をつくる習性があり、トラブルは各地で発生している。

 前橋市の担当者によると、市内では前橋駅前のケヤキ並木などにも大群がすみ着いたことがある。新前橋駅周辺では3年ほど前、対策として街路樹を剪定した。だが、「街路樹そのものを伐採することはできない。大きな音を出して追い払うのも一過性の効果しかなく、しばらくすると戻ってきてしまう」と対応の難しさを指摘している。