産地にこだわった商品をPRするウナギ売り場=フレッセイ元総社蒼海店

 土曜となる23日の「土用の丑(うし)の日」を商機にしようと、小売業者や料理店が奮闘している。稚魚の不漁や新型コロナウイルス感染拡大、海外情勢などの影響でウナギの仕入れ値が上昇する中、早期買い付けや今後の相場動向を見据えた値段設定などの企業努力で販売価格の高騰を抑え、風物詩を味わってもらおうと腐心している。

 「昨年の土用の丑の日を終えてすぐ、翌年の取引をした。今買っていたら3割高くなってしまう」。こう説明するのはフレッセイ(前橋市)の丸山智倫生鮮部長。早期の買い付けで、変動の激しい価格を安定させようとした。土曜と重なるため「家族でゆっくり買い物し、味わってもらえる」と考えた。今年は特大などサイズ違いのかば焼き、うな重など多種類の商品を展開するという。

 高崎市の「割烹(かっぽう)魚仲」の羽鳥修司さん(76)は春先に1匹700円だった仕入れ値が夏に入って1110円まで上がったと打ち明ける。「店に来てくれる人のことを考えると値上げは難しい」と、今年中は価格を変えずに負担を抱え込むつもりだ。

 前橋市のウナギ料理店の男性店主(49)も、仕入れ値が2021年より2、3割上がっていると話す。「過去最高。本音を言えば値上げしたい」とこぼしつつ、シーズン後の相場下落を見込んで年間で帳尻を合わせようと、夏場の価格は据え置くという。「夏が過ぎても高ければ、考えます」と話した。

 日本養鰻漁業協同組合連合会(東京都)は、コロナ禍の労働力不足で、チリやペルーなど外国産の餌の運搬費上昇が価格を押し上げた一因とみている。ウクライナ情勢下で燃料費が上がり、養殖場の空調にかかるコストも課題という。中国でウナギ人気が高まり、日本への輸出量が減ったことも理由に挙げた。

 水産庁によると、7月前後の出荷に向けて前年11月ごろから本格的に始まる稚魚の確保が、21年は1、2カ月遅れた。そのため量は追って確保できるが、この時期に合わせて提供できる量が比較的少なくなったことや、稚魚の不漁が高騰の理由の一つとされる。