本県は梅の生産量が全国2位の一大産地です。中でも白加賀という品種の生産量は日本一。どんな特徴があるのか、県農政部の板倉剛さんと高橋宗文さんに聞きました。高橋さんは「地域の誇りとして、群馬の梅のことをもっとたくさんの人に知ってほしいです」と呼びかけています。

「青いダイヤ」白加賀が約6割 様々な加工に向く 

 本県で生産されている梅の約6割が白加賀です。大粒で形が良く、大きなものはピンポン玉くらいで収穫します。果肉は厚みがありながら、繊維が少なく滑らか。果肉そのものを食べる梅干し、果汁を楽しむ飲み物、どちらの加工にも向いているとされています。
 大きな特徴として、熟す前の5月下旬から6月中旬に青梅の状態で収穫することです。爽やかで上品な香りは、梅酒や梅ジュースにぴったり。青梅のまま加工して、固めの食感を楽しむカリカリ梅にもなります。
 梅干しを食べるのはあまり得意ではないという板倉さんですが、「梅ジュースは酸っぱ過ぎず、さっぱりしておいしく飲めます。夏バテに良いとされるクエン酸も豊富です」とおすすめします。
 一方、梅の生産量全国1位の和歌山県では、南高という品種が有名。よく熟した状態で収穫され、多くが梅干しとして加工されます。

白加賀は「青いダイヤ」と言われることもあるほどの美しさです

青梅の状態で収穫する白加賀

 

 

 

 

 

 


縁起物トリオの松竹梅 由来は中国「歳寒三友」 

 松、竹、梅は「松竹梅(しょうちくばい)」と呼ばれ、おめでたいものとされています。なぜ縁起が良いのか、群馬大教授の藤本宗利さんに教えてもらいました。

 松竹梅は「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼ばれる、中国の墨絵の題材です。寒い時期にも青々とした葉を広げたり、花を咲かせたりする様子がめでたいものとして描かれました。
 「歳寒三友」が伝わる以前は、松竹梅がセットとされることはありませんでした。日本でも昔から松、竹、梅は信仰の対象とされ、ほめたたえる伝統がありました。
 松は長寿を表し、竹は子の成長を、梅は子宝を象徴するとされます。ちなみにお弁当の格付けに松竹梅が使われることもありますが、本来は三つに上下関係はありません。
 梅は元々は食べるために栽培され、薬として使われることもありました。中国の影響で花を見て楽しむようになり、平安時代には香りを味わうようになりました。
 そのため梅の花や香りをたたえる和歌がたくさん残っています。「枕草子」や「紫式部日記」など平安時代の文学作品の中には、食べ物として描かれている例もあります。
 昔から松竹梅をほめたたえる習慣があったからこそ、中国から「歳寒三友」が伝わった時に広く受け入れられたのでしょう。