▼先週の参院選で、開票所での取材を終え、帰宅したのは午前2時前。全国の大勢は判明し、テレビの開票速報は残りわずかとなった議席の行方を伝えていた。何げなくチャンネルを変え、NHKの画面に驚いた。「自動音声でお伝えしています」

 ▼各候補者の名前や得票数を読み上げる声にほとんど違和感はなかった。「自民・現」など、政党名と現職・新人の部分が少しせっかちに聞こえた

 ▼NHK放送技術研究所によると、自動音声は今年3月から本格的な運用が始まり、気象情報や一部ニュースで使われている。アナウンサーの負担を軽減する働き方改革の一環。今後、災害時のライフラインに関わる情報を緊急で伝える場合などにも活用する予定だ

 ▼音声が自然に聞こえるよう試行錯誤を続けているという。同じ単語でも、前後に来る言葉によってイントネーションは微妙に異なる。アナウンサーが1週間かけて読んだ大量の原稿を録音して人工知能(AI)に学習させ、音が滑らかになるよう調整する

 ▼自動音声を耳にする機会が増えた。コンビニでは外国人店員に代わってレジの機械が支払い方法を聞いてくる。無料の音声読み上げソフトを活用し、動画投稿を楽しむ若者もいる

 ▼JRや私鉄駅のホームで耳にする「前橋」や「伊勢崎」「太田」などの駅名も自動音声。だが「地元の発音はそうじゃないんだよな」とつい訂正したくなる。