来年7月27日の任期満了に伴う群馬県知事選まで1年となるのを前に、上毛新聞は県政に関する電話世論調査を行った。県が特に力を入れるべきだと考える施策を選択式で尋ねたところ、高齢者福祉が22.0%と最も割合が高かった。このほか1割以上となったのは、子育て支援(15.3%)、教育(11.0%)、企業誘致(10.9%)で、福祉から産業政策まで、県民は幅広い施策に期待していることが分かった。

男女差大きく 企業誘致と交通充実

 企業誘致の次は新型コロナウイルス対策の9.0%で、道路整備5.9%、公共交通の充実5.3%、災害対策5.2%と続いた。県が力を入れる「幸福度の向上」は4.9%にとどまり、観光振興は1.6%だった。

 高齢者福祉を巡り、県は介護施設での慢性的な人手不足への対応を強化している。業務効率化のために情報通信技術(ICT)を生かした機器の活用を支援するほか、県内の介護施設で働けば返済が免除される修学資金の貸し付けなどに取り組む。ただ、本県の介護サービス分野の5月の有効常用求人倍率は3.54倍で、全産業平均の1.24倍より大幅に高く、人手不足は解消していない。

 子育て支援では子どもの居場所づくりに力を入れ、子ども食堂への補助を拡充している。パーティション購入など新型コロナに対応した事業にも助成し、こども食堂がネットワーク化する取り組みも支援する。中学生までの医療費無料化も継続しているが、本県の出生数は減り続けている。

 教育関連では、子どもが1人1台のパソコンやタブレット端末を使う取り組みが昨年度から本格化。本年度は小中学校にオンライン学習サポーターを100人程度配置するほか、全県立高校でSTEAM教育を推し進め、創造的な人材の育成に努める。

 力を入れてほしい施策で男女差が大きかったのは、高齢者福祉と企業誘致、公共交通の充実だった。

 高齢者福祉は女性29.0%、男性14.8%と14ポイント以上の開きがある。年代別では20代の5.6%に対し、70代以上が38.9%と年代が上がるほど関心が高まった。

 企業誘致は男性15.8%、女性6.3%で10ポイント近い開きが見られた。20代で16.7%、30代で27.6%と高かったが、40代以上は1桁台。公共交通の充実は男性8.9%、女性1.9%と7.0ポイントの差が生じ、10代が22.1%、20代が11.5%と若年層で割合が高かった。

 群馬大情報学部の小竹裕人教授(公共政策論)は、それぞれの年代が自身の直面する問題を強く意識して回答しているとした上で、「直面する問題が大変なのは理解できるが、社会全体として、違う世代のことにも目配せする必要があるのではないか」と指摘している。

▽調査の方法
 県内の18歳以上を対象として、2~4日の3日間、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施し、820人から回答を得た。

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