政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」実現に向けた取り組みの一環で、地域課題の解決に向けたデジタル活用例を競う「夏のD(デ)ig(ジ)i田(でん)甲子園」の群馬県代表に前橋、安中、嬬恋の3市村が選ばれた。課題解決事例となる「実装部門」、課題解決につながる「アイデア部門」があり、各都道府県による選考・推薦の「地区予選」を通過した計159件が本選に出場。8月15日までのインターネット投票と、有識者による委員会の審査を経て、岸田文雄首相が優れた取り組みを表彰する。

 「夏の―」は政府主催で新たに創設された。実装部門は自治体の規模に応じ、①政令指定都市・中核市・特例市など②その他の市③町村―に区分。アイデア部門を加えた四つの区分で優勝、準優勝などを決定する。

 実装部門で、前橋市はマイナンバーカードを活用して高齢者らのタクシー利用を補助する「マイタク」でエントリー。同事業を2016年1月に開始した当初は紙の利用券だったが、18年からデジタル化した。これにより、事業者、利用者双方の利便性向上のほか、利用券の紛失、不十分な本人確認による不正利用といった課題の解決につながったとしている。

 安中市は、来庁者と市職員の会話を双方向で字幕表示する音声筆談・多言語翻訳アプリによるコミュニケーション支援で、嬬恋村は人工知能(AI)やビッグデータなどを活用した村のブランド力強化と観光活性化の取り組みでエントリーした。

 アイデア部門の県代表は視覚障害者の歩行を支援する前橋市の事業で、スマートフォンのカメラとAI技術で道路状況を検出し、信号の変化や障害物、街並みなどを音声で伝えるナビゲーションシステムを提案。市のデジタル個人認証「まえばしID(仮称)」を活用し、視覚障害者と市民が助け合える仕組みについても盛り込んだ。ナビゲーションシステムは本年度中の使用開始を予定。同市の谷内田修・スマートシティ推進監は「デジタルによる共助型未来都市の実現への追い風にしたい」と話している。

 都道府県代表の取り組みの詳細や投票方法などは、内閣官房の同甲子園の専用サイトで紹介している。