「上州うな重」と金子社長

 土用の丑(うし)の日を前に、魚の養殖を手がけるジースリー(群馬県伊勢崎市昭和町、金子史朗社長)が、前橋市荻窪町の「赤城山麓養鰻場」で養殖したウナギの販売を本格的に開始した。16日に伊勢崎市内の直営レストランでの提供を始め、今後は本社敷地内でも販売を予定。海なし県で育ったウナギの味に、金子社長(61)は「低価格で安心な県産ウナギをぜひ堪能して」と自信をのぞかせる。

 同社は2018年にウナギ養殖業許可を取得し、19年2月に試験飼育を開始した。太陽光発電所の施工、運営を行っていることから、豊富な電力を養殖に使用。太陽光や自家消費型蓄電システムを活用したゼロ・エミッション(CO2排出ゼロ)養殖に取り組む。飼育用の水は地下120メートルからくみ上げている。

 同社の直営レストラン「ヒーローズキッチン」(伊勢崎市連取町)で、16日から提供を始めた。1日50食限定。メニューは約300グラムのウナギ1尾を使った「上州うな重」(3278円、ご飯大盛り無料)と「上州うなぎ白焼」(同)、「ミニうな重」(1925円)。有名店で長く勤めた職人の添田道雄さん(52)が丹念に焼き上げて提供する。同店ではテイクアウトにも対応する。

 同社は本社敷地内に、7千万円を投じてかば焼きの加工場を建設。7月末から8月上旬の稼働を見込む。稼働後は同所でも「うな重」や真空パックした冷凍ウナギを販売予定だ。当面はテイクアウトのみだが、年内をめどに飲食スペースも設ける方針という。

 地元に新たな特産品を作り出したいと考え、ウナギの養殖に力を注いできた金子社長は「苦節5年をかけて、ようやくここまで来られた。職人技で焼き上げた県産ウナギをぜひ味わってほしい」と話している。

土用の丑(うし)の日 土用とは立夏、立秋、立冬、立春の前18日間のこと。立秋前の土用のうち「えと」の「丑(うし)」に当たる日にウナギを食べる習慣が江戸時代に定着した。ウナギは栄養が豊富で、夏バテ防止になると考えられたとされる。2022年は7月23日と8月4日の2回ある。現代でもかば焼きの消費が増え、専門店や小売店が一斉に販売を強化する。