新型コロナウイルス感染症で、群馬県と前橋、高崎両市は20日、県内で新たに1910人の陽性が判明し、過去最多を更新したと発表した。これを受け、県は独自の警戒レベルを現行の1から1段階引き上げ、2とすることを視野に調整に入った。対策本部会議を21日に開いて最終決定する。感染予防に十分な注意を呼びかける一方で、行動制限は求めないとみられる。20日の発表数は過去最多だった1192人(2月3日発表)の1.6倍で、前週水曜の2.2倍。流行の「第7波」が急拡大している。

 全国の感染確認も20日に15万人を超え、1日当たりの過去最多を更新した。

 県の警戒レベル移行の判断基準となる客観的な数値で、病床使用率は同日夕時点で35.6%となり、レベル2の基準(30%以上50%未満)に達している。7日間平均で示す検査の陽性率は62.3%(速報値)と、これまでの過去最高(55.4%)を上回った。

 感染経路不明の割合は68.2%(同)で、過去最高の73.3%に迫っている。県はこれらを総合的に判断し、警戒レベルの引き上げを視野に調整している。引き上げられれば、5月27日以来となる。

 20日夕時点で、入院中の229人のうち重症者はゼロ、酸素投与の必要な中等症患者は41人だった。重症病床使用率は0%を維持している。年代別の感染者の割合は県所管の保健所管内で10歳未満が16.8%、10代が18.4%、20代が12.4%と、20代以下でおよそ半数を占めている。

 山本一太知事は14日の定例会見で「県内の医療提供体制が逼迫(ひっぱく)するなど、感染状況が悪化した場合は、ちゅうちょなく警戒レベルの引き上げなどを検討する」としていた。

 警戒レベル2では原則、感染リスクの高い場所への外出や県外移動のほか、高齢者施設や病院で面会する際などは十分注意するよう呼びかける。政府が行動制限を求めていないため、観光支援事業「愛郷ぐんまプロジェクト」は継続する方向で調整している。

 県は20日、医療機関に入院していた80代男性と60代女性の死亡も発表。県内の感染確認は累計11万532人(うち328人死亡)となった。また、新たなクラスター(感染者集団)として、太田市内の医療機関2カ所と高崎市内の医療機関、同市内の保育施設の計4カ所で計49人の感染が確認された。

 陽性の判明について、18日発表で1人、19日発表で6人の重複や取り下げがあり、18日を752人、19日を859人に修正した。

 感染急拡大を受け、県感染症危機管理室は「エアコンをつけながら窓を開けるなど換気をし、ワクチンの接種が終わっていない人は早期に打ってほしい」と呼びかけている。