5回表樹徳1死一、二塁の場面で併殺を決め、二塁手小田島と笑顔でベンチに戻る前橋育英の遊撃手岡田(左)=上毛新聞敷島

 最後の打者が打ち取られると、わずかにうなだれた。気を取り直したように駆け足で整列し、樹徳ナインとあいさつを交わしたが、相手の校歌が流れると涙をこらえ切れなかった。決勝の延長十二回で勝ち越し2ランを放った前回大会とは対照的に、ここぞの場面で一本が出なかった。

 2点を追う三回、2死三塁で打席に。鋭い当たりを放つも、相手一塁手の好守に阻まれた。無死一、二塁の八回も...