自身の体験を踏まえ、支援の重要性を訴える梁田さん

 被害者支援センターすてっぷぐんま(小磯正康理事長)は23日、オンラインで、一般向けの犯罪被害者支援講座を開いた。被害者支援に関わる機関の職員や専門家らが講演し、被害者を取り巻く状況や支援の在り方を説明。事故被害者の家族が、直面したつらさや苦悩を語り、被害者に寄り添った支援の重要性を訴えた。

 2012年、群馬県藤岡市の関越自動車道で発生した高速バス事故の被害者家族、梁田知代子さん(54)=茨城県ひたちなか市=が講演した。乗客7人が死亡した大事故で、当時18歳だった長男は重傷を負った。周囲が励ましのつもりで言う「生きているからいいじゃん」との言葉に傷ついたとし、「つらいと言うことを許してほしい」と語った。

 事故後、加害者であるバス運転手の公判に参加。法律などの専門知識がないのに出廷した当時を「戦場に投げ出されたよう」と振り返った。公判後は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、「時々、心と体が別々になってしまう」といまだに心の傷が癒えないことを打ち明けた。事故直後、高崎市内に入院した長男の元へ自己負担で通ったことや、補償が少なかった別の被害者の例などを挙げ、「国を挙げた支援の充実が必要」と訴えた。

 一方、警察や医療従事者、支援団体の温かさに救われたという。自身の経験を踏まえ、被害者家族に声をかける際は「今、あなたはつらいのですね」「今日、ご飯は食べられましたか」など、「今」と「共感」を含めることが大切とした。

 すてっぷぐんまは「犯罪被害者等早期援助団体」に指定され、各関係機関と連携して被害者支援に取り組んでいる。今回の講座は16日と23日の2回にわたって開かれ、警察や検察の支援について紹介したほか、臨床心理士やDV相談を受ける県女性相談センター職員、児童相談所職員らが、現場での取り組みや被害者への適切な支援方法を助言した。