共存共栄 人間社会にヒント

鹿沼書店(伊勢崎市東本町) 鹿沼イサムさん

 著者は植物学者。植物が教えてくれる驚きの賢い生き方のこつを伝授する。鹿沼さんは「手も足もないのに、植物はしっかりと生き延びている。見習うべき知恵や工夫が詰まっている」と薦める。


 本書は「競わない生存戦略」「環境に抗(あらが)わない知恵と工夫」「逆境をしたたかに生きる技」など五つの章にわたって身近な植物の生態を紹介。植物の生き方から、人間の生き方を啓発する内容となっている。

 


 たとえばタンポポは、綿毛が付いた種子を作り、風に乗せて運ぶことで、動けない植物のハンディを克服して次の世代に命をつなぐ。色鮮やかな花で装うマリーゴールドは、甘い香りを放って美しく見せ、花粉を運ぶハチやチョウを誘惑する。


 鹿沼さんが感心したのは、ヒガンバナの生態の部分。多くの植物が姿を消す冬に葉を茂らすことで、ほかの植物と生育場所を奪い合う競争を避けている。「すみ分けを選び、共存共栄を図る。人間社会にとって学ぶ点は多い」と話す。


 鹿沼さんは薬局で働きながら高校に通い、読書が大好きで図書館によく通った。書店を42歳から営み、現在は朗読活動にも取り組む。「人が生きるために必要な大切なものを教えてくれる本。心が楽になるので手にしてみては」と話している。


【こんな人におすすめ】
 自信をなくした人、生き方を模索している人

【こちらも“推し”】
 小さな経営論(藤尾秀昭著、致知出版社)