「来店の際は予約して訪れてほしい」と呼びかける徹さん(左)と美穂さん

  四季折々の肉や魚、野菜を使い、味を決めるだしやみそは自家製にこだわる。昨年に10周年を迎え、夫婦2人で「本物」を追求し続ける。

  渋川市の伊香保温泉で育ち、大阪府の辻調理師専門学校に進んだ。全国各地の旅館や店舗で修業し、クルーズ船の料理人を務めた後、地元で独立した。

  一番だしを大事にし、丸みを帯びた仕上がりを心がける。料理によって塩を使い分け、昔ながらの製造方法の調味料で素材の味を生かす。2人の中にあるのは、無駄をなくした「基本の積み重ね」だ。

  鮮魚は北海道の厚岸、福井県の小浜や高浜、長崎県五島市の福江と国内屈指の漁港から仕入れる。五島市の公認産品応援店としての認定も受け、直送の五島焼酎や五島うどん、希少な五島牛を味わうことができる。秋にかけて、天然のアユやハモ、水ナスがお薦めという。

  店名の「いなほ」は、ことわざの「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」から取った。「お客さまとの一期一会を大事に、勉強させてもらう姿勢を持ち続けたかった」と徹さんは語る。

  コロナ禍で、より食事の大切さ、外で食べることの重みを実感した。「いつ外食できなくなるか分からない中、来てくれたお客さまの『1回』に精いっぱい向き合いたい」。幸せを感じられる食事、店づくりを追い続け、日本の文化である和食を守っていくつもりだ。


  営      業 【昼】午前11時半~午後2時半(ラストオーダー同1時半)、【夜】午後5時半~10時(ラストオーダー同9時)
  定  休 日 日、月曜
    おすすめ おまかせコース。四季折々の食材が味わえる。