伊勢崎市のひまわりコンテストの募集チラシ。特徴の異なる2人の人物を配し、以前より多様性を感じさせるデザインにした

 全国各地の自治体で活動する観光大使などのPR役について、応募資格を未婚女性としていた募集団体が性別や婚姻の有無を問わない運用に改める動きが出ている。県内でも伊勢崎市観光物産協会が本年度から応募資格を見直し、名称を「観光大使ミスひまわり」から「観光特使ひまわり」に改めた。性別にとらわれない「ジェンダーレス」の流れを考慮したという。専門家は「可能性が広がる」と指摘している。

 同協会事務局の市文化観光課によると、ミスひまわりは任期1年で、いせさきまつりやモデル撮影会などを通して伊勢崎の魅力をPRしてきた。昨年度までの応募資格の一つに「18歳以上の未婚女性(高校生不可)」があった。

 本年度から性別や国籍、婚姻の有無を問わない運用に改めた。同課は「ジェンダーレスの考えが広まる中、市の観光をうまくPRしてくれる人を広く募集することにした。新たな活動内容も見つかるのでは」とする。8月に面接、9月にコンテストを行い、3人の「ひまわり」を決める。

 県外では高知市観光協会が2019年度の募集から、18~34歳の未婚女性としていた資格を改め、性別や婚姻の有無を不問としたほか、年齢上限も撤廃した。「女性に限らなくてもいいのでは」などの意見が寄せられていたという。名称も「ミス高知観光キャンペーンレディー」から「よさこい高知観光大使」に変更した。

 19年度の応募者は男性4人を含む18~55歳の42人だった。結果的に大使3人は女性が選ばれたが、同協会は「幅広い方々に応募いただけた結果、さまざまな観点からふさわしい方を選考することができた」と手応えを感じているという。

 理由がジェンダーの視点に限らないケースもある。奈良県の橿原(かしはら)市観光協会は、昨年まで未婚女性を対象にしていた市の観光親善大使について、近年減少傾向にあった応募者数の改善を図るなどの意図もあり、今年から性別や婚姻にかかわらず募集を始めた。

 一方で現状維持の自治体も多い。18歳以上の女性を応募資格にする群馬県内の募集団体は「全国的に見直す動きがあることは知っている。今後どうするかは検討課題」とした。

 応募資格見直しの動きについて、群馬大ダイバーシティ推進センターの長安めぐみ副センター長(ジェンダー論)は「今までは『若い女性でなければだめ』という狭い視点の中でやってきたと思う。誰もがチャンスに挑めるよう、間口を広くするのはいいこと。LGBTQ(性的少数者)にとっても可能性が広がる」と話している。