遠隔操作で肥料をまきながら花豆畑を進む台車ロボット

 ロボットや人工知能(AI)などの先端技術を活用する「スマート農業」の実証実験の見学会が26日、群馬県中之条町入山の畑で開かれた。遠隔操作で自動走行する台車ロボットを使って畑に薬剤を散布したり、鳥獣を追い払ったりする2カ年計画の実験の2年目。初年度の成果を踏まえて改良した結果、薬剤散布の分野で実用化のめどが立った。人手不足が深刻な中山間地での農業の労力軽減や効率化が期待されている。

 農林水産省が2019年度から始めたスマート農業の実証プロジェクトで、採択された全国202地区の事業の一つ。ぐんま農業ビジネス研究所(前橋市下川町、山口憲作社長)を中心に組織した「六合高冷地農業・スマート化実証コンソーシアム」が、六合地区の山口農園(山口英義代表)の畑で2021、22年度の2カ年で実験をする。

 台車ロボットの機能は昨年度は花豆畑での農薬散布のみだったが、本年度は肥料や除草剤の散布機能を加え、1台で3役をこなせるように改良した。実演では、遠隔操作で台車ロボットを走行させ、約80メートル区間の肥料散布を3分弱で終えた。

 約1.2ヘクタールの畑に肥料をまく作業は1日かかるが、ロボットなら半日で済むほか、20キロの重い肥料を背負ったり、薬剤の噴霧器とホースを引っ張りながら2人がかりで畑を往復したりする必要もないという。山口社長は「人手が足りない地域だからこそ、重労働からの解放と効率化につながる技術に意味がある」と話した。

 今回の実験をコンソーシアムに委託した農業・食品産業技術総合研究機構の専門員、大森定夫さんは「台車ロボットが製品化できれば、他の産地や生産者の課題解決にもつながる」と強調した。

 コンソーシアムは秋に台車ロボットの一般向け見学会を予定している。