スマートフォンなどで予約して車を共同利用するカーシェアリングのサービスが群馬県内でも徐々に広がっている。主要8社の動向をまとめた民間調査では、5月末時点で5市の計34カ所に拠点があり、用意されている車両は92台で、比較できる9年前の3カ所3台から伸びた。自動車ディーラーなどによる学生向けプランも登場し、車を購入せず手軽に利用できる仕組みとして需要を開拓している。

 カーシェア・マップ(東京)によると、県内34拠点の内訳は高崎市20カ所、前橋市10カ所、館林市2カ所、桐生市と太田市各1カ所。人口や往来が比較的多いエリアに集中している。比較可能な2013年5月は高崎市に3カ所、車両は3台だけだった。

 「タイムズカー」を展開する大手のタイムズモビリティ(東京)によると、群馬県のような車社会では駅など交通の結節点を中心に拠点を設けている。社用車代わりや出張・旅行者向けの利用を想定している。環境意識が高まり、鉄道と車を組み合わせた移動方法が注目されていることも背景に挙げた。

 感染症対策として車に除菌シートを載せ、2週間に1度、車内を清掃しているという。

 共同利用となると今後、人口規模が縮小する地方では拠点や台数のさらなる拡張が難しくなることも考えられるが、同社は「障壁とは考えていない。『1人1台』までは持たないという家庭や県外客のニーズに応じ、拡大を検討している」とした。

 他に自動車メーカー・販売各社もカーシェア事業に乗り出している。大学生向けに特化したサービスは地域貢献に加え、将来の顧客との接点を増やす狙いも垣間見える。

 群馬トヨタ自動車(高崎市)と群馬大は19年、取り回しやすいコンパクトカーなどをキャンパスに配備して学生・教職員限定で始めた。料金は一般向けの半額程度に抑えた。登録会員は6月時点で200人。21年度は計約700回使われた。短時間利用に加え、6~12時間の貸し出しも増えている。複数人での買い物やレジャーが多いという。

 群馬トヨペット(前橋市)は同年4月から、前橋工科大生が団地を活性化する活動の一環で、学生と教職員向けに実施している。同年度は計111回使われた。同社は「眠っている時間の多い試乗車などを有効活用して地元の方々に喜んでもらえる。もっと展開したい思いはある」とした。

 【メモ】利用方法はタイムズカーの場合、会員登録後に会員証が届き、スマートフォンなどで使いたい日取りと車両を予約する。車が置かれているのは時間貸し駐車場の一角などで、レンタカーのような事務所はない。車に搭載された専用機器に会員証を読み取らせると車のドアが解錠され、車内に車のキーがある。