手作りランドセル「コノテ」を紹介する小野里さん

 革職人の小野里健一さん(45)が2016年に立ち上げた工房兼店舗。21年度から本格販売を始めた手作りランドセルキット「conote(コノテ)」は、同年度のグッドデザインぐんま奨励賞を受賞した。国産牛革と一部鹿革を使った高級ランドセルの手作りキットで、小野里さんは「ランドセル選びの可能性を広げたい」と話す。

 ラインアップは三つで、一番人気の「ベーシック」(9万9千円)は、組み立ての全工程を自らの手で行う。顧客は金具を打ち込むハンマーだけ用意し、動画投稿サイト「ユーチューブ」の説明動画を見ながら約1カ月で仕上げる設計だ。難易度を下げて平面パーツの作業に限定した「プラス」(16万5千円)や、職人に全工程を任せる「アルチザン」(28万6千円)も用意している。

 コノテはランドセルには珍しくヌメ革を使用する。小野里さんは「メンテナンスが必要になるが、6年かけて色合いが変わる経年変化を楽しめる」。カラー展開は「キャメル」「レッド」「ブラック」の3種類。一番人気はキャメルという。

 小野里さんは高崎市生まれ。高崎工業高を卒業後、建設会社を経て革業界に転身した。18年度には、自由な発想で新しいものづくりに取り組む若手を支援する「レクサス・ニュー・タクミ・プロジェクト」の本県代表として、都内で開かれたイベントで「コノテ」の構想を発表した。革製品の修理に長く携わった経験を生かし、「コノテには、革の形状をきれいに見せたり、壊れにくくしたりするノウハウを詰め込んだ」と自信をのぞかせる。

 今後は、イタリアンレザーへの移行や色のバリエーションを増やすことを検討中だ。小野里さんは「ランドセルを通じて、ハンドメードやものづくりへの理解や関心を広めていけたら」と思い描く。

これも自慢

 2016年度グッドデザインぐんま奨励賞に選ばれた「くりがま」も主力商品だ。栗をモチーフにしたかわいらしい革製のがま口で、小さなコインケースからショルダーバッグまで、サイズは3種類ある。価格は5060~1万9250円。

【メモ】30代前半から「雨ザラシ工房」の名義でクラフトフェアなどに参加し、2016年に独立・旗揚げした。もともと修理業がメインだったが、現在はオリジナル革製品の制作販売を主とする。法人化はしていない。