優勝を決め喜びを爆発させる樹徳応援席(宮崎浩治撮影)

 30年ぶりか、7年ぶりか―。27日に群馬県前橋市の上毛新聞敷島球場で開かれた第104回全国高校野球選手権群馬大会決勝は、久しぶりの甲子園を懸けた樹徳(桐生市)と健大高崎(高崎市)が互いに点を取り合い、最後まで目が離せない展開になった。両校の生徒や保護者らはスタンドでメガホンを打ち鳴らし、選手たちを後押しした。

 メガホンやTシャツなど樹徳のチームカラーの紫色で埋まった一塁側スタンドでは、生徒や保護者、卒業生らが30年ぶりの優勝を願い、熱い応援を送った。バスケットボール部はスタンドの一体感を出すため、紫色のユニホームを着用。同部1年の内田吏津希さんは「健大は強敵だが、今日は絶対樹徳が勝つ」と力強く語った。

 一回に舘野優真選手が適時打を放って先制した。舘野選手と仲の良い3年の高橋美貴さんは「格好良い。このまま点を取り続けて」と同級生の活躍を喜んだ。

 さらに森颯良(そら)選手の安打などで初回に5点を奪うと、大量得点にスタンドが揺れた。森選手の母、絵理子さんは「打ってほしいと目をつぶって祈っていた。チームに貢献してくれて本当に良かった」と胸をなで下ろした。

 試合が進むにつれてじわじわと点を返され、2点差に。スタンドは緊張感に包まれたが、主戦の亀井颯玖(りゅうく)選手の父、弘之さんは「颯玖なら大丈夫」と息子を信頼し、笑顔で見守った。

 チームを盛り上げようと、野球部2年の柳仁成さんは大きな紫色のだるまを掲げてスタンドを駆け回った。「すごく苦しいけど、(感染症対策で)声が出せない分、こういうことでチームの雰囲気を良くしたい」と笑顔。チアリーディングで選手にエールを送ったダンス部3年の小鮒春花さんは「力を発揮してほしい」と願った。

 六回以降は健大高崎のスコアボードにゼロが並んだ。最後のバッターを打ち取ると、生徒や保護者は飛び跳ねて喜んだ。

 鉢巻き姿でメガホンの動かし方や拍手のタイミングを指揮し、応援を引っ張った2年の小此木渚音(しおん)さんは「30年分の思いを乗せた選手の頑張りもあって、今日の勝利をつかみ取れた。甲子園でも活躍してほしい」と選手をたたえた。