「ぐんま愛を見せられるクイズの企画をやりたい」と話すこうちゃん
北関東出身のメンバーによる地元愛クイズの動画より(左からこうちゃん、河村拓哉、伊沢拓司)

 クイズ王の伊沢拓司率いる東大発の知識集団「QuizKnock」の主要メンバーでクイズライターとして、テレビや動画に出演するこうちゃん(本名・渡辺航平、館林市出身)。明るく爽やかな笑顔で幅広い知識を紹介し、知的エンターテイナーとして活躍する。活動や古里への思いなどを聞いた。

いつも「ガチ」

 -どんな活動をしているのか。
 テレビやユーチューブ動画に出演している。水、木曜に動画の撮影があり、それ以外は企画を考え、クイズの問題を作る。一時は忙し過ぎて、会議の席で問題を作るほどだった。頼れるメンバーが増え、少し落ちついた。

 -出演時に心がけていることは。
 全力で楽しみ、素を出すこと。視聴者は僕らが真剣にクイズをやり、全力で笑うのを面白がる。司会役のときは解答者が余計なことを考えず、全力で楽しめば動画が成り立つように心がけている。

 -クイズではミスを恐れずにチャレンジする場面が多い。
 がんがん前に行こうと思っている。99人同時のオンライン早押しクイズゲームに出演しているが、絶対に手加減しない。瞬時に答えて全員撃破したこともある。いつもガチ(真剣勝負)でやっている。

遊戯王で学ぶ

 -子どもの頃、熱中していたことは。
 遊戯王のカードゲーム。いつもカードの組み合わせを研究し、戦略を考えていた。ネットの攻略サイトを見て「このカードを入れたら強くなるな」とか。

 カードには漢字で指示が書いてある。「カードを任意の枚数を引く」みたいな。小学校低学年には難しい言葉だったが、これで覚えた。実家には今もカードがたくさんある。

 -習い事は。
 英会話をやっていた。4歳から中学まで続け、日常会話には困らない。英語の考え方が身に付いたのも良かった。小4から硬式テニスも始めた。

 -中学時代の思い出は。
 中3の時は充実していた。受験勉強があって、音楽祭の実行委員をやって、学校代表の駅伝選手だった。全て頑張るのがかっこいいなと思っていた。

 駅伝は足の速いトップ12人が選手になる。1、2年では選外だったが、朝練をやって上位に食らい付き、3年で初めて大会に出た。中3の自分は今も尊敬できる存在だ。

 -その後、太田高に進学した。
 高校最初の実力テストは全体のほぼ真ん中の156位。中学時はトップだったので、すごくショックを受けた。硬式テニスをしながらガリガリ勉強した。同じ部のS君がライバルだった。彼は信念を持って努力するタイプで、勉強に前向きだった。一生懸命な友に出会い、東大を目指した。高1の時、米航空宇宙局(NASA)を視察する学校研修に参加し、マサチューセッツ工科大(MIT)やハーバード大に行ったのも刺激になった。

 -高3の時、高校の文化祭実行委員長を務めた。
 目立つのが好きで、それは今も同じ(笑い)。上毛新聞の取材を受け、駅にポスターを貼って宣伝した。

好きだから練習

 -クイズで、複雑な名称を覚えるのは苦にならないのか。ムンフバト・ダヴァジャルガル(白鵬のモンゴル名)とか。
 野球を強くなりたい人がノックを受け、素振りをするのと同じ。ポケモンのゲームで勝つために時間をかけてモンスターを育成するのとも似ている。クイズが好きだから、クイズのことを練習するだけ。それが嫌な人はそんなにクイズをやっていない。自分の好きなことをやっているだけ。

 覚えれば答えられる。自分の力がつき、上達につながるから、そんなに苦でもない。QuizKnockのメンバーは自分よりもっと強い。うちがクイズの最強プレーヤー集団のように思われているが、さらに強い人はいる。相当な努力を積んでる。

 -テレビのクイズ番組と競技クイズの違いは。
 テレビは映像を見て答える問題が多いが、クイズサークルなどが開く競技クイズの大会は問題を読み上げる早押し形式が多い。うちは後者で、競技クイズの血を引いている。
 テレビ番組だと、日本の絶景とかのテーマがよく出題される。つい、問題製作者の意図を考えてしまう。誰に見てほしいのかと。視聴者に「あ、行ったことがある場所だ」という気持ちで答えさせたいのかなとか、解答者の芸能人に「ここはロケで行きましたよ」と言わせたいのかなとか。

 自分がテレビに出演する時は対策として、例えば「じゃらん」のサイトを検索して、人気観光地ランキングの1位から勉強するなどしている。
 

 -ユーチューブの良さは。
 めっちゃふざけられるところ。うちはどんな問題を出しても許される。早押し問題で、「3人でじゃんけんをした時、あいこの確率は…」と来たので、3分の1と答えたらバツ。その後に「3人ともカニである」という条件がついて、正解は100%という問題だった。これはテレビではできない。ケラケラ笑えるのがいいところ。

 -日常生活で、クイズを意識することはあるか。
 大量のニュースサイトを登録しており、最新の情報を常に眺めるようにしている。クイズのために覚えるわけではないが、ニュースを見て、「これは他にも書いてあったな」みたいな感じ。たくさんの情報に触れている。

面倒くさかった勉強

 -大学の時に教育実習を経験している。
 もともと教員になりたくて、社会科の教員免許を取った。大学4年の時、出身の館林三中で教育実習をした。最後の日に生徒が黒板に寄せ書きをしてくれた。感激して、スマホの待ち受け画面にしている。一番の思い出だ。

 仕事で何かの形で人に教えたい。学生時代は歴史と数学が得意だった。文科系に進学したが、中学生、高校生がつまずきやすいのは数学なので、そこを教えられたら。

 -勉強は苦ではないか。
 高校生の時は面倒くさいと思っていた。「頭がいい人は勉強が好きなんでしょ。自分は違うから…」と思われがちだが、そんなことはない。遊戯王やカラオケをやりたいといつも思っていた。その中で、何とか勉強に前向きになれないかと考えることもあった。

 勉強が楽しくないと思い込んでいる子もいる。誰でも最初は面倒くさい。でも興味を持てるきっかけもある。そんなことを伝えたら気持ちが楽になる子もいると思う。

ぐんま愛見せる

 -古里にどんな思いを抱いているか。
 群馬出身、館林出身のアイデンティティーは強い。住みやすくて良い場所だ。よく館林に帰り、地元の友達と遊ぶ。実家の次に落ち着くのは「カラオケまねきねこ館林店」。中2から通っている。「いきものがかり」をよく歌う。

 -地元・群馬のイベントによく参加している。
 6月に母校の太田高校吹奏楽部から依頼があり、定期演奏会に出演した。音楽とクイズのコラボ企画で、僕がステージでクイズを出題して盛り上がった。出身の館林では4月につつじが岡公園で謎解きイベント用の問題を作った。

 子どもの頃は上毛かるたにも熱中し、地区大会で3連覇した。かるたで磨いた反射神経が早押しクイズに生きている。群馬は住みやすくて良い場所。ぐんま愛を生かせる仕事をもっと増やしたいし、もっとぐんま愛を見せられる企画をやりたい。

プロフィル こうちゃん 1997年、館林市生まれ。「QuizKnock」メンバーとして、クイズの魅力を発信するユーチューブ番組に出演。テレビ番組「Qさま?」「ネプリーグ」でも活躍する。太田高-東京大法学部卒。