10日投開票された参院選(選挙区)の投票率が群馬県内35市町村のうち最低だった伊勢崎市(41.54%)が、全国の市区町村でもワースト9位だったことが上毛新聞の集計で分かった。街中や公園で有権者に話を聞くと、投票しなかった市民から相次いだのは「何も変わらない」「興味がない」の声。投票には行ったものの消極的だと明かす人も少なくなく、政治への無関心は数値以上に深刻のようだ。

 「投票なんか行きません。世の中変わらないじゃないですか」。新栄町のサービス業の男性(39)は吐き捨てた。馬見塚町の製造業の男性(33)も「行かないし、そもそも誰に入れたらいいか分からない」と関心は薄い。

 投票の意思はあったという富塚町の40代の男性看護師は、投票所の開設時間が午後8時までと思っていたといい、「着いたら閉まっていた」。期日前投票に話が及ぶと「ちょっとよく分からなくて…」とつぶやいた。

 今泉町の主婦(31)は「通院中で行けなかった」と説明。美茂呂町の会社員の男性(33)は仕事が立て込み、「期日前投票も行けなかった。時間に余裕ができたら(次は)行きたい」と残念そうだった。

 投票した人も消極的。公園で幼児を抱いた今泉町の主婦(28)は「全然興味ない。夫が誘ったから、同じ人に入れただけ」。境上渕名の自営業の男性(55)も「家族に促されたから行った。投票しても何も変わらない」と素っ気ない。

 これに対し、連取町の音楽家の男性(71)は「自民が強く有力な対抗馬はいないが、権利を放棄するのはおかしい。どんな人が上に立っても批判できなくなる」と低投票率に警鐘を鳴らす。曲輪町の男性(33)も「政治を軽んじると一部の人に好き勝手にされる。文句は投票してから言いたい」と述べた。

 毎回、両親と一緒に投票に行く五目牛町の主婦(38)は食卓でも選挙が話題に上り、今回は親の応援する候補者に投票したという。

 富塚町の無職の男性(74)は「国民の義務だから」と、投票所に足を運び続けるが、「議員の顔触れも代わり映えせず、投票の張り合いがない。こんなにつまらないと皆行かなくなる」と話す。

 境地区の女性(70)は安倍晋三元首相の銃撃事件を受け、改めて票を投じる意義を考えたという。「どの党も同じと思っていたが、1票で自分の意思を示せると、初めて思った」と語った。

転入者多い地区で低調

 伊勢崎市の投票率は地区によって差がある。最も高かった境地区で44.29%、次いで旧市部で42.46%。赤堀地区は36.83%、東地区は38.30%と、より低調だった。若年層で投票率が低い傾向も見られ、市選管は「4月の市議選を含め、投票率の低い地区や年代を分析し、具体的な対策につなげたい」としている。

 赤堀、東地区は急速に宅地開発が進んでおり、臂泰雄市長は「若い世代を含む転入者が多い所は投票率が低い傾向にある。地域社会や政治に関心がない人が増えているようだ」と指摘。

「今回はコロナと暑さと、結果が自明で選挙自体が話題にならなかった。こちらから市民にもっと働きかけをしなければ」と話した。

 市選管のまとめによると、旧市部のある投票所の年代別投票率は70歳代が57.21%で最多。30歳代34.25%、20歳代29.28%、10歳代24.0%だった。

 参院選群馬選挙区の投票率は48.49%、市町村別で最も高かったのは神流町の80.74%だった。