新型コロナウイルス感染急拡大に伴う医療への負荷を軽減するため、群馬県は29日、コロナ専用病床の効率的な運用といった追加策を発表した。重症化の可能性がある陽性者を検査して入院の可否を判断する「陽性者外来」を再開したほか、症状が改善した感染者の退院を促して病床の余裕を確保する。国から支給される抗原検査キットは、発熱などの症状があり、基礎疾患のない60歳以下の県民に無料配布する。

 県によると、同日までの1週間の新規感染者数は1万4602人で、前週の1.5倍に増加した。重症病床使用率は5.4%にとどまる一方、病床使用率は49.6%と50%付近で推移。医療機関には発熱した人が詰めかけ、大きな負荷がかかっているという。

 陽性者外来は25日に再開した。県内の19病院が協力し、重症化の可能性が高い人へのCT検査や血液検査を行う。入院の必要性を厳密に判定することで、緊急性の高い人の病床を確保する。

 早期退院の取り組みについては20日から、症状が改善すれば療養期間中でも宿泊療養施設や自宅に移ってもらう運用を始めた。基礎疾患のある人がコロナ専用病床から転院する際、後方支援病院の状況がリアルタイムで分かるシステムも導入。円滑な転院につなげる。コロナ対応病床も、来週には現状の643床から660床に増床する。

 検査キットの無料配布は8月上旬に開始。陽性の場合は医療機関を受診することになるが、PCR検査をせずに確定できるほか、感染していない人の受診も減らせる。23万個を用意し、受取場所や申し込み方法などについて調整している。

 県と前橋、高崎両市は29日、新たに2393人の陽性者が判明し、金曜としては過去最多を更新したと発表した。基礎疾患のある70~90代の男女計5人の死亡も発表され、県内の感染者数は累計12万9036人(うち340人死亡)となった。

 県によると、同日現在で入院中の319人のうち重症は2人、中等症は54人。新たなクラスター(感染者集団)として、前橋市2カ所と太田市1カ所の医療機関で計35人の感染が確認された。新規陽性者の発表数で、22日を1965人、25日を1221人、26日を2417人、28日を2522人に修正した。