「写真だけぱらぱら見ても楽しめる」と新著を紹介する新井さん

 きのこ・粘菌写真家の新井文彦さん(57)=群馬県富岡市富岡=が、新著「あした出会えるきのこ100」(山と渓谷社)を出版した。公園や遊歩道で遭遇できる100種類のキノコを、優しく、ユーモラスに伝えている。

 自身8冊目となった本作は、「キノコ初心者」が散歩やハイキングに連れ添える内容。分かりやすさと正確さを大切にしている。

 宝石のような写真はほとんど新井さんが撮った。生え方、形、色合い。特徴を細部まで捉えた。国立科学博物館の保坂健太郎研究主幹が監修し、最新の研究を踏まえた分類や食毒の有無を記した。

 「かわいい小悪魔」「きのこ界の女王」。コケが生えた場所を好む毒キノコの「ヒナノヒガサ」と、赤い傘に白いイボが付いた「ベニテングタケ」を、それぞれそんな風に表現している。コピーライターの経験を生かし、語呂の良さや的を射た説明になっているかを意識して付けた。

 キノコは一般的に、食べ物として理解されていることが多い。新井さんは「生き物としての魅力に気づいてほしい。自然環境に思いを巡らすきっかけができれば」と話す。

 大学生時代に登山に夢中になり、自然への興味を広げた。今は北海道・阿寒湖周辺との2拠点生活を送っている。6~10月は、現地で撮影の傍らカヌーや登山ガイドを手伝う。糸井重里さん(前橋市出身)が手掛けるウェブメディア「ほぼ日刊イトイ新聞」での連載は、毎週欠かさず更新中で、記事の数は590本を超えている。

 「あした出会えるきのこ100」は、「散歩道の図鑑」シリーズの3作目。税込み1760円。書店やネットで買える。