通報内容を把握して警察署に伝える塩野警部補=7月27日、前橋市の県警本部

 2022年上半期(1~6月)に群馬県警が受理した110番通報は前年同期比3651件(6.9%)増の5万6758件で、うち13.4%の7580件が不要不急だったことが、県警のまとめで分かった。落とし物や免許更新の相談など、他の警察窓口にするべき問い合わせが増えた。受理の現場で働く副指令官の塩野大介警部補(48)は「係員がふさがると緊急事態の人を救えない恐れがある」と話し、適切な利用を呼びかけている。

 「事件ですか、事故ですか」。県警本部にある通信指令課のフロアの半分に、同じ機材を備えた卓がいくつも並ぶ。通報者から直接、話を聞く係だ。もう半分には、そのやりとりをヘッドホンで聴きながら必要な情報を抜粋し、現地の警察署へ迅速に伝える無線指令係が陣取る。双方を俯瞰(ふかん)する通信指令官を中心に、チームプレーで対処する。

 110番は約4分半に1件のペース。だが県警によれば、多くの人が目撃した事故や災害、28日のような大規模停電に伴う信号の滅灯などがあると一気に押し寄せる。「瞬間風速」が大きいと、全ての卓が対応に追われることもある。

 そこで不要不急な通報が問題になる。係員は110番が緊急用だと伝えた上で丁寧に窓口を案内するようにしており、応対に何分もかかることもあるという。

 なかでも22年上半期に4723件を占めたのが落とし物や免許返納、「警察署の電話番号を教えて」といった警察宛ての問い合わせで892件増えた。さながら“総合受付”の様相を呈してしまっている。

 通報件数は2年連続で増え、コロナ前の水準(5万7千件程度)に戻りつつある。塩野警部補は、緊急の事件事故ではためらわず110番するよう促した上で、「通信指令は初動対応の生命線。迅速的確に対応できるよう、緊急性が低い相談などは警察署や各窓口にしてほしい」と話した。