▼1週間ほど前、鹿児島県の桜島が爆発的な噴火を起こした。噴火が「日常」の山だが、警戒レベルが最高の5となったのは初めて。備えていたはずの地元の人も戸惑った

 ▼本県には活火山が五つ。火山は身近だ。このうち浅間山は1783(天明3)年に大噴火を起こし、県内外に1500人を超える犠牲者が出た。今年は二百四十回忌に当たる

 ▼この年の噴火は新暦5月9日の鳴動から始まり、8月4、5日に最盛期となった。5日午前、北側で発生した謎の爆発をきっかけに土石なだれや泥流が集落を襲い、広い範囲に被害が及んだ

 ▼記録や供養碑など各地に点在する「天明3年の記憶」をつないで語り継ごうと、群馬、長野、埼玉の3県にある資料館など17機関が連携して展示会や講演会を開いている。来年の240周年に向け、賛同機関はさらに増える可能性がある

 ▼発起人は嬬恋郷土資料館の関俊明館長だ。三回忌や三十三回忌に供養祭などを行ってきた先人に倣い「節目に思い返し語り継ぐことは、今後の災害に対処するための教訓となる」と企画した。同館の展示会は5日から。「天明三年」と刻んだ仏像を西上州の寺に安置し、災害の記憶を後世に残した江戸時代の高僧、高雲院宥弁(ゆうべん)の足跡をたどる

 ▼専門家はデータを基に噴火予測に努めているが、桜島のように状況は急変することがある。災害の歴史を学び、常日頃の備えを心がけたい。