親が別の場所で仕事をしている間、野外活動を体験する子どもたち=7月、桐生市梅田町

 コロナ禍で仕事と休暇を組み合わせた働き方「ワーケーション」が注目される中、群馬県桐生市のNPO法人キッズバレイ(星野麻実代表理事)は子どもが成長できる体験を盛り込んだ新たな事業を展開している。親が仕事をしている間、子どもを専門スタッフが預かり、桐生ならではの体験を通して成長の機会を得られるプログラムを提供する。今後は企業や団体の要望に応じたツアーも検討していく。

 7月下旬、自然豊かな同市梅田町のドッグラン施設で、子どもたちが野外活動に汗を流した。山中で集めた枯れ枝で火おこしをしながら、マッチの安全な使い方や、大人がいない時に火を使わないことなど、学びを意識したプログラムに挑戦。同じ時間帯、親たちは同NPOが運営する「コワーキング&コミュニティスペース『ココトモ』」(同市本町)でリモートワークに励んだ。

 同NPOが本年度に始めた「グロウケーション」と呼ぶ事業。仕事と休暇をかけ合わせたワーケーションに、子どもが成長できる体験を詰め込んだ独自の造語だ。

 プログラムは、子どもたち自身が選んで挑戦することや、発見して新しい仲間と共感し合うことができるような仕組みを大切にしている。7月下旬は5泊6日で行い、県内外から9組が参加した。

 子どもたちの世話は保育士や年齢に応じた専門スタッフが対応するため、0歳児から小中学生まで幅広く受け入れる。プログラムの講師は地元企業や文化団体などから駆け付ける“市民先生”が務めている。

 同NPOでグロウケーション担当の保育士、飯島理恵さんは「子どもを連れたワーケーションでも、仕事に集中したい場面があり、そうした際のお手伝いになる。体験活動の拠点となる地域の活性化にもつなげたい」と意気込む。

 今後は年に数回、季節ごとにプログラムを変えて実施していくほか、企業や団体の要望に応じたツアーの企画も考えている。さらなる事業の展開に向け、行政との連携も視野に入れており、滞在者の宿泊・交通手段に対する施策の充実、保育園や幼稚園など桐生の日常体験導入について協力を求めていく。