ビジネスシーンや学生生活で「結果を出さなければならない状況」はよくあります。そんなプレッシャーを感じる時に私が大切にしている考え方について述べます。

 私は大学野球を終えた後、米・独立リーグに挑戦しました。運良くプロ契約を獲得できたものの、当初は野球を仕事にすることに戸惑いが多くありました。上位のリーグに行くためには結果を出し続けなければならず、目標に掲げた数字と向き合い、一喜一憂する日々。常に気を抜けず、心身ともに毎日がつらく苦しく、いつの間にか好きだったはずの野球を楽しめなくなっていました。

 それでも試行錯誤の中で見えてきたことがありました。

 2年目に気付いたのは、結果を出すためにはそこにたどり着くまでの道筋をイメージできていることが必要不可欠だということです。最終的には「結果に対する執着を、できるだけなくす」という極論に到達しました。

 もちろん結果は達成されなければなりませんが、結果にとらわれていると、それを生み出すための「今」に集中できません。なぜなら、結果は今の連続であり、そこまでの過程は自分でコントロールできない部分もあるからです。

 そのため3年目は、目標設定は明確にしたものの、自分の出す結果への執着をできるだけ手放すことにしました。それは、いかなる結果に対しても一喜一憂せず、チームメートを元気づけ、観客も楽しめるように、そして結果的にチームも勝てるようにという、できる限り大きく広い視点で現在から最終目標までを眺め、全体が豊かになる方向に考えるということでした。

 このように思考を変換させることで、コンディションもパフォーマンスも安定し、野球を楽しめるようになりました。それが、いつの間にかずっと求めていた結果、4割を超える打率を残すことにつながったと思っています。

 コーチになり、当時と変わらずプロとして結果を求められる仕事をする上でも、その気付きを生かしています。クライアントの要望に応えつつ、その要望の先にある「幸せ」を意識します。「なりたい」ではなく、「なっている」というように思考を変換したり、変えたいことへの執着をなくし、より崇高なことに意識を置くことができたりした時、予想以上の結果がついてくるように感じています。

 人は、不安な気持ちから何かに固執してしまうのだと思います。だからこそ、結果が手に入らない方向に進んでしまうのかもしれません。結果を出し続けたいのであれば、むしろ「結果に対する執着」を手放しましょう。先の結果よりも今この時に集中し、あらゆる執着を手放してより大きな視点を持ち、現在の自分自身と周囲の人を幸せにしていくことに意識を向けることが重要だと考えます。

 【略歴】慶応高2年時にレギュラーとして明治神宮野球大会優勝。慶大でも野球を続け、卒業後は2016年まで米・独立リーグでプレーした。伊勢崎市出身。