小中学校や高校は夏休みになりました。皆さんは夏のイベントというと何を思い浮かべますか。大学に勤務する私にとっては、夏のイベントといえば「オープンキャンパス」です。学生時代を含めると20年近く、夏の恒例行事になっています。

 オープンキャンパスは、高校生を中心とした入学志望者に対し、大学が施設を公開し進路相談や模擬授業などを行うイベントの総称を指す言葉です。

 日本私立大学協会の教育学術新聞(2010年5月26日版)の特集記事によると、受験生を対象とした大学内での進路相談イベントの名称として「オープンキャンパス」を用いたのは、1988年の立命館大だったとされています。その後、京都府内の大学が一斉に開催した「オープンキャンパス in Kyoto」を契機に、全国的に広く用いられるようになりました。

 今の高校生は、どのくらいオープンキャンパスに参加しているのでしょうか。今春高校を卒業した全国の男女を対象に行った調査で、約1万5千人の回答結果をまとめた、リクルート進研総研の「進学センサス2022」から見てみましょう。

 大学進学者のうち、進学先の大学が主催するオープンキャンパスに参加した割合は71.2%でした。7割近くの高校生が大学入学前に、1度は進学先のオープンキャンパスに参加していることを表しています。

 平均参加回数は、高校3年間のトータルで「3.3回」。進学先を大学に限ると「1.9回」となっています。

 この「1.9回」の内訳を見ると、「1回」が54.4%、「2回」が23.4%、「3回以上」が20.8%でした(他に「未回答」1.3%)。

 つまり、半数以上の生徒は1回のみの参加である一方で、約2割は3回以上繰り返し参加していることが分かります。

 主催する側としては、繰り返し参加してくれるのは大変ありがたいことです。大学に興味を持ってもらう貴重な機会として、オープンキャンパスが高校生にとってより有意義な内容となるよう工夫し続けたいと考えます。

 コロナ禍となってから、ウェブ形式でのオープンキャンパスが来校形式と並行して開催されているケースが多くなりました。遠方の高校生が時間や費用をかけずに参加できるメリットもありますが、このイベントの醍醐味(だいごみ)は「実際に知って感じる」ことだと考えています。感染対策を講じつつ、可能であれば実際に足を運んで志望校の雰囲気に触れながら、さまざまな情報を仕入れたり、確かめたりしてほしいと願っています。

 オープンキャンパスは一つの例ですが、新しいことを「知る・感じる」体験に挑戦し、現在と未来の自分の活力となるよう、充実した夏休みにしましょう。

 【略歴】農業経済学、食料経済学が専門。食生活の変化や食料自給率などを研究。信州大助教を経て2019年から現職。兵庫県出身。神戸大大学院博士課程修了。