県の生活支援物資。ゼリー類や消毒液に助けられた

 「赤い線が入っています。陽性ですね」―。7月25日昼過ぎ、記者は医師から抗原検査キットを見せられ、新型コロナウイルス感染症の陽性を告げられた。10日間の自宅療養が始まった。

 記者は30代男性。最初に頭をよぎったのは「まさか自分が」という驚きと、家族や職場への申し訳なさだった。ワクチン接種を受けたのは2回目まで。副反応がつらく、3回目接種をためらっていたさなかだった。

 SNSに「ただの風邪」「ほとんどは無症状か軽症」との書き込みもあるオミクロン株だが、経験したことのない喉の痛みや全身の倦怠(けんたい)感、高熱に悩まされた。感染防止にもっと気を付けていればと悔やんだ。

 38度台後半の高熱は発症から3~4日で37度台前半に回復した。だが喉の痛みは、オミクロン株の特徴なのか、唾を飲み込めないほど痛く、イガイガした不快な気持ちが7~8日間続いた。処方された扁桃(へんとう)腺の腫れや痛みを抑える薬、漢方薬を毎食後に飲み続け、なんとか回復した。

 気をもんだのは、同居の妻への家庭内感染だった。自宅内では2人ともマスクを着用し、常時窓を開けて換気した。部屋を別々にし、自分はトイレと風呂以外は部屋から出ず、食事も別々に取った。幸い妻は症状が出ず、検査での陰性確認や5日間の待機期間を経て職場に復帰した。

 療養期間中、保健所からの連絡は陽性判明から翌日の1度きり。県の健康観察センターから携帯電話にショートメールで指示が来て、自分で専用サイトに体温などを入力し、症状を報告した。体調が急変することはなかったが、自らの健康管理が大切だと感じた。食料品や飲料水、アルコール消毒類を自宅に備蓄していたわけではなかったため、県から届いた生活支援物資には、とても助けられた。

 現在は第7波の真っただ中で過去に例がないほど感染者数が急増。陽性者一人一人に対応する医療機関や保健所の苦労や心労は想像を絶する。感染を経験し、鼻うがいなど一歩踏み込んだ感染対策と、万が一の際に備えておくことが大切だと改めて感じた。