プラスチックごみをはじめとする海岸漂着物の発生抑制に向け、群馬県は2030年度までにレジ袋辞退率100%を目指す計画を策定した。本県は県民1人1日当たりのごみ排出量が全国で6番目に多く、河川敷にはレジ袋や空き缶などが目立つ。利根川の上流県として全国でも珍しい高い目標を設定して環境への意識を高め、プラスチックごみ「ゼロ」への取り組みを推し進めたい考えだ。

 策定した計画は、本年度から30年度までの脱プラスチック対策の方向性を示す「県海岸漂着物対策推進地域計画」。ごみは川から海へ流れ着くことから、内陸にある本県も利根川河口の茨城県や千葉県と連携して発生抑制に取り組む重要性を指摘。抑制対策として①プラスチックごみの削減②5Rの普及啓発③市町村と連携した分別回収の促進―を柱に据えた。

 県によると、県内スーパーにおけるレジ袋辞退率は19年7月は50.3%で、有料化された20年7月は83.5%。30年度の100%実現に向け、マイバッグやマイボトルの活用を呼びかける。また、講座やワークショップを通じて地域における環境活動に取り組む人材育成にも力を入れる。

 県は昨年7月と11月、利根川、片品川、吾妻川、烏川、渡良瀬川、谷田川の6河川計8地点で漂流物を採取。分析した結果、全ての河川でマイクロプラスチック=ズーム=が検出された。1立方メートル当たりの個数密度は7月は利根橋(利根川中流)、板倉大橋(谷田川)の順で高く、11月は板倉大橋、昭和橋(利根川下流)の順だった。

 河川敷に落ちていたごみを回収したところ、自転車道が整備されている利根橋や釣りができる鹿島橋(渡良瀬川)でごみの量が多かった。アルミ缶が入ったレジ袋が放置されていたり、ズボンが脱ぎ捨てられていたり、広場が隣接する岩倉橋(烏川)ではバーベキューで使ったとみられるガスボンベが捨てられていた。

 県は今年も漂流物の調査を実施するほか、計画を分かりやすくまとめたパンフレットの作成も検討している。環境保全課は「ごみを適正に処理しないと海に流れ出て、海洋汚染につながる。本県は海がないが当事者意識を持ってマナーを守ってほしい」としている。

 マイクロプラスチック 大きさが5ミリ以下の微小なプラスチック。包装容器などのプラスチック製品がごみとして川や海に流れ込み、紫外線や波の作用などで壊れて細かくなって発生する。漂流する中で有害な化学物質を吸着し、食物連鎖に取り込まれて生態系に影響を与えることが懸念されている。世界全体では毎年約800万トンのプラごみが海に流出しており、2050年には海洋中のプラごみの重量が魚の重量を超えるとの試算もある。