城沼でハスの花を見学する館林市内の小学校教員ら=4日

 群馬県館林市の沼辺の名所や史跡、関連する歴史などで構成する日本遺産「里沼」が、6年間の認定期間の後半に入った。有形・無形の文化財の保全に加え、地域のブランド化、観光振興といった「活用」に重点を置くのが日本遺産の認定制度。認定が継続されるには、観光客数などの目標達成や施策の充実が欠かせない。3年後に控えた文化庁の再評価に向け、市は体験を重視した構成文化財の利活用に力を入れるとともに、日本遺産の構成文化財を持つ両毛地域の桐生、足利両市との連携強化に努めている。

 ライフジャケットを着た親子が水上でゆっくりとパドルを動かす。6日、館林五小の児童と保護者計44人が校内のプールでカヤックやカヌーを楽しんだ。水辺の体験を通じて里沼への関心を高めようと、館林市教育委員会が企画。愛好家を増やし、将来的に住民主体の活用方法として定着することを目指している。

■ 再評価

 日本遺産は認定6年後、成果や活性化計画について文化庁が再評価する。2015年に認定された第1弾の18件に関し、昨年度に初めて再評価が行われ、14件が「認定継続」、4件が「再審査」となった。

 対象18件のうち、桐生、甘楽、中之条、片品の4市町村が関係する「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」は認定継続となったものの、日本遺産を核としたコミュニティーの再生・活性化の項目では「不可」との評価が下された。本県を県外の人に自慢できる県民の割合が、目標に達しなかったことが理由だった。

 「かかあ天下」の構成文化財13件のうち6件がある桐生市は、20年度に新設した日本遺産活用室を本年度、課に昇格させた。市民アンケートで認知度が低いことが分かり、本年度は市民への浸透に力を入れる。スマートフォンを使ったデジタルスタンプラリーは「重伝建地区選定10周年」と銘打ち、市内の構成文化財や観光スポットに対象を絞った。

■ 指導に生かす

 認知度向上は館林市でも課題で、解決に向けて本年度、新たな試みがスタートした。市教委が4日に行った小学校社会科部会の教員研修で、里沼を巡るフィールドワークを導入。社会科副読本「のびゆく館林」で取り上げた地域の文化財を実際に見て、児童への指導に役立てるのが狙いだ。

 参加した25人は城沼で花ハス遊覧船に乗ったり、茂林寺沼の植生を見たりした。同部会で顧問を務める館林八小の奈良明教頭(55)は「市外在住の教員も多く、里沼の浸透度も学校により差がある。現地を知れば、『こんなふうに調べてみては』と児童に投げかけるヒントになる」と意義を語った。

地域、名物 連携し集客 継続発信へ独立組織も

 日本遺産は自治体を越えた複数の文化財を共通のストーリーでまとめる例も多い。桐生市の文化財などで構成する「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」と同時に認定された「近世日本の教育遺産群」は、...