群馬県みどり市大間々町高津戸の市道沿いの山林でごみの不法投棄が後を絶たず、近隣住民が景観の悪化やごみの散乱などを訴えている。市と桐生署は1月、合同で状況を確認し、看板を設置するなど警戒している。
山林は、あさかわ大橋から同市大間々町長尾根に向かう市道西側の私有地。人通りや通行車両は少なく、束ねられた毛布や袋詰めの肥料などが点在している。
通勤に市道を使っている女性(71)は「(ごみで散らかっている)山林を見ると心が苦しい。見ないように通勤している」と訴える。山林の一部を所有する男性(85)は「50年以上、山には行っていないので、どんな状況なのか分からない」と話した。
市などによると、周辺は以前にも不法投棄があった場所で、昨年6月下旬ごろから再び目立つようになった。今年に入ってベッド、たんすなどの粗大ごみも確認された。対策として個人の不法投棄が「5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金」であることを示す警告看板を設置し、桐生署員による定期的なパトロールなどをしているという。
近隣住民からは撤去の要望もあるが、市は不法投棄されたごみは投棄した人が処理し、不明の場合は土地所有者が対応することが原則と説明。「市内の不法投棄を自治体がすべて処理するのは予算や人的にも難しい」(生活環境課)としている。