ネットで購入した商品を受け取れる駐車スペースとロッカー

 家電量販店最大手のヤマダデンキ(高崎市栄町、上野善紀社長)は10日、ネット通販の拠点機能を兼ねた業態「web.com(ウェブコム)」の新店として、高崎問屋町店(同市緑町)を開店する。デジタル化した値札「電子棚札」やセミセルフレジを導入し、売り場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めた。ウェブコム店は県内初で、全国では30店舗目。

 1、2階が売り場で、延べ床面積は約5500平方メートル。同社が運営する通販サイト「ヤマダウェブコム」の群馬県周辺地域への出荷拠点も兼ね、品ぞろえが豊富で1万点超の家電を扱う。

 「ウェブとリアルの融合型店舗」と位置付け、ネット通販で注文された商品を最短30分で受け渡しする。店の外には、車に乗ったまま商品を受け取れるスペースや24時間対応のロッカーを設置した。

 電子棚札は同社のスマートフォンアプリと連動し、端末をかざすと在庫状況や他社の販売価格が確認できる。店内で購入前の商品を持ち運ぶ手間を省くため、陳列棚近くの端末で発券したカードをレジに持って行くことで、在庫品を購入できる仕組みも導入した。

 同社の小林辰夫会長(58)は「ネット顧客をリアル店舗に送客して宅配コストを抑え、その分をポイントなどで還元する。北毛地域を含めた広域から集客できれば」と期待を込めた。