食事について語る土井さん

 女性限定会員組織、上毛新聞レディースクラブ「yell( エール )」の本年度2回目となる講演会が8日、高崎市の群馬音楽センターで開かれた。おいしいもの研究所代表で、料理研究家の土井善晴さんが「“料理する意味”を考える」をテーマに講演し、約1700人が耳を傾けた。
 土井さんは、子どもにとってご飯を作ってくれる人、食べさせてくれる所は「居場所」であると説明し、「その居場所が子どもの安心を生んでいる」と食事の重要さを強調した。
 現代の日本では、料理を工夫することばかりがもてはやされ、ご飯やみそ汁、魚だけの昔ながらの料理が「手抜き」と見なされていると指摘。「一汁一菜があったらそれでいい。今の人は、作らなくてもいいもののことで悩んでいる」と分析した。
 日本人の伝統的な食文化である和食の大前提は自然の素材を生かして、工夫しないものであると持論を展開し、「一汁一菜のシンプルな文化を大切にしてほしい」と語り掛けた。