ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表が世界の頂点に立った22日、チームの一員として活躍した群馬県太田市出身の周東佑京選手を祝福する声が上がった。特に、準決勝のメキシコ戦で9回に代走で出場し、一塁からあっという間に本塁に滑り込んでチームを勝利に導いた好走塁について「誇らしい」「子どもの憧れ」「努力のたまもの」と称賛の声が聞かれた。
小学4、5年時の担任で、現在は太田藪塚本町小教頭を務める蓑輪エリ子さんは「逆転への期待を背負った場面で、プレッシャーに負けず本塁に滑り込んだ。本当に『世界の周東』になったんだと、誇らしい気持ちになった。思わず涙が出た」と振り返った。
決勝の米国戦では出番はなかったものの、母校や地元は大喜びだという。小学校時代に所属していた藪塚リトルファイターズの後藤毅司監督は「チームのOBに世界一を経験した偉大な選手が生まれた。子どもたちにとって憧れや希望になった」と話した。
農大二高の野球部監督だった加藤秀隆校長は「打球の判断と思い切りの良さは練習で培ったもの。努力のたまものだ」と評した。高校から走力は抜群だったが、打席から一塁まで走るタイムを計測して短縮に努めたり、投手のモーションを盗んで走る練習に打ち込んだりと、武器を磨いていたという。「栗山監督にいい形で使ってもらえたのもありがたい。結果として、周東選手の足のすごさが際立つ起用になった」と教え子の快挙を喜んだ。