パラアスリートの活躍や障害者スポーツへの注目の高まりを受け、群馬県は世界を舞台に活躍する競技者の支援や情報発信を一元化する窓口として、「ぐんまパラアスリート支援ワンストップセンター」を新設する。競技者からの相談に対応し、競技力向上のための環境整備、障害者スポーツ特有の経済負担といった課題を解決するため、市町村や企業と連携して取り組む拠点とする。
県スポーツ振興課内に開設する。競技者の希望に合致する練習環境を市町村管理の施設から探したり、県内スポーツ団体のネットワークから質の高い指導者を紹介したりして、競技者を支援する。支援を検討する企業と競技者とのマッチングにも取り組む。
同課によると、パラスポーツの競技人口の少なさを背景に、競技者の多くが練習場所や指導者の確保に課題を抱えている。健常者スポーツと比べてスポンサーが少ないため、世界レベルの実力がありながら、国際大会の遠征費や高価な競技用具の費用を自前で用意することも多い。
東京パラリンピック陸上男子5000メートル(視覚障害T11)で銀メダルを獲得した唐沢剣也選手(SUBARU)の活躍や、車いすテニスの国枝慎吾さんが国民栄誉賞を受賞するなどパラスポーツへの注目は高まっている。魅力を広く発信することで支援の輪が広がるとして、同センターは学校や企業に対し、パラスポーツ体験会や講演会のために選手をあっせんする。
県外では三重県が昨年8月、同様の機能を持つ「障がい者スポーツ支援センター」を設置した例がある。30日の定例会見で概要を説明した山本一太知事は、「誰一人取り残されない共生社会の実現につながる」と強調した。