子どもたちに自由な発想でまちづくりに参加してもらおうと、群馬県前橋市は本年度、子どもを中心とするグループから募集した地域活性化のアイデアを審査し、採択した活動に予算を付けて後押しする。子どもたちが地域課題の解決に携わることで将来のまちづくりの担い手を育てる狙い。高齢化やコロナ禍の影響で停滞が懸念される市民活動の活性化にもつなげる。

 「子どもアイデアまちづくりプロジェクト」と題した事業。応募できるのは小学1年~高校3年世代の子ども2人以上のグループ。サポートする大人2人以上をメンバーに加える。学校の授業外なら、部活動や生徒会でも参加できる。個人は受け付けていない。

 テーマは「もっと楽しく、暮らしやすく」。子ども目線の防災マップ作りや、子どもが企画・運営を担う納涼祭など、地域活性化につながり、子どもを中心に実施できる取り組み、イベントを募集する。

 活動期間は来年1月末までとする。5団体程度の採択を見込んでいる。採択した案には、市が1件当たり最大10万円を補助し、活動を支援する。

 併せて、審査会で活動を採択する子ども審査員も募集する。同世代に「地域のためになるか」「実現可能か」「仲間と協力してできる活動か」を判断してもらう。

 アイデアと子ども審査員の応募は6月16日まで受け付ける。市ホームページに詳細を掲載している。

 市民協働課によると、市民活動に取り組むNPO、ボランティア団体などは高齢化や資金不足などの課題に直面しているほか、コロナ禍などによる活動の停滞も見られるという。

 実際、市民活動支援センター(Mサポ)に登録する123団体から回答を得た昨年のアンケートでも、運営に関する悩みとして「コロナ禍での停滞」「会員の高齢化、担い手不足」「人材募集、活動資金の調達」などが多く寄せられた。

 プロジェクトを通じて次世代の育成を進め、活動の停滞を防ぐ。同課の担当者は「自分の住む街を楽しく明るくできる提案をしてほしい。まちづくりに参加することが楽しい、またやってみたいと思ってもらえればうれしい」と期待している。