リゾット専用米の栽培、商品化に取り組んでいる関東学園大の学生と生産者ら

 群馬県渋川市内の休耕田でリゾット専用米を栽培し、商品化を目指している関東学園大(太田市藤阿久町)の学生らが15日、市役所で記者会見し、今後の試験栽培や販路開拓について発表した。2年目となる本年度は、品質のさらなる向上や市内でのPRなどに取り組み、“もうかる農業”の可能性を探る。

 訪れたのは、同大の地域活性協力隊として活動する岸諒亮さん(21)=経済学部4年=と三世川(みせがわ)胡桃さん(20)=同3年、弓納持(ゆみなもち)花音さん(20)=同3年、学生を指導する同大准教授の中谷淳一さん(45)。生産者として八崎第3地区環境保全協議会から代表の木村秀夫さん(70)と事務局長の田中義正さん(69)も同席した。

 栽培しているのは、国立研究開発法人の農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県)が開発した国産品種「和みリゾット」。イタリア原産でリゾットに最適とされる品種「カルナローリ」と国内品種を掛け合わせ生まれた。歯応えがあり、粘りが少なく、煮崩れしにくい。中谷さんによると、一般的な米より高価な一方、今のところ国内での大規模生産は見当たらない。高付加価値米として、事業者や家庭での消費につなげたいとする。

 本年度は20日に田植えをし、昨年度と同様に4アールで試験栽培を続ける。昨秋は約180キロ収穫できたが、米粒に亀裂が入る「胴割れ」が起きたことから、米の乾燥・精米を検証する。秋の収穫後には、伊香保温泉の旅館・ホテル、市内小売店でのイベントを通じて、販路を開拓する。

 岸さんは「米作りは素人だが、高付加価値の米をどう販促していくか、経済学という得意分野で力を発揮したい」と、今後への意欲を語った。本年度の活動で生産や販路の拡大が見通せれば、来年度から本格生産に移りたいとしている。