児童の学習環境を充実させようと、群馬県の渋川市教委は本年度、市内小学校の通常学級に配置している独自のスタディアシスタント(学習補助員)を、特別支援学級にも配置した。複数学年の子どもたちが一緒に学ぶなど特有の事情もある特別支援学級に広げることで、さらに個々に寄り添った支援につなげる。

 市教委は2020年度から、小学1~3年を対象に、1学級の児童数が一定基準を超える学校に学習補助員を配置。多様化した児童の特性に対応できる体制づくりを図ってきた。子育て経験者や元教員など、教員免許の有無を問わず登用する補助員は、担任の授業だけでなく、児童が関係する業務全般をサポートする。本年度は市内14校の通常学級のうち、小1で7校、小2で3校、小3で5校に計18人を配置した。

 市教委によると、学校現場で「個々の学習のつまずきや達成度を細かく把握できる」「生活面でも一人ずつ表情や友達との関係を捉えられる」など、効果を実感する声があるという。

 こういった実績を踏まえ、本年度から、7人以上の特別支援学級がある5校に1人ずつ配置を決めた。学級には複数学年の児童が在席し、同じ教科の授業でも内容が異なるケースがあって、一人一人に応じた学習対応がより必要になる。通常学級に合流する授業では普段の様子を知る補助員がいることで、児童に安心感を与える効果も期待できるという。

 市教委学校教育課は「さまざまな特性の児童がいる。より細やかな支援につなげたい」として、効果や課題を検証する。