▼栃木県の那須岳山麓を源流とする那珂川は全国屈指のアユ漁獲量を誇る。特に産卵期を迎える秋は、上流から中流域へと下っていく落ちアユで有名だ。今年は川魚店から、卵がぎっしり詰まった塩焼きを取り寄せて楽しんだ

 ▼かつて足尾銅山の鉱毒で汚染された渡良瀬川には、産卵のためにサケが戻ってくる。1年前、館林市と栃木県佐野市の両岸を結ぶ水利施設の邑楽頭首工で、懸命に泳ぐサケの群れを初めて見たときは感動した

 ▼ウグイなどの魚を狙って集まる水鳥もいる。館林市と邑楽町にまたがる多々良沼には、数年前から国天然記念物のコウノトリの姿も。先月は関西地方からの1羽が足輪で確認できたという

 ▼邑楽館林地域は自然豊かな水辺が広がる。ただ邑楽頭首工で今季初めて水門を開けた2日、遡上(そじょう)するサケは1匹もいなかった。水温が関係するのか分からないが、強風が吹き荒れた昨年とは一転して穏やかな日で、土手には季節外れの菜の花が咲き、モンシロチョウが飛んでいた

 ▼深刻化する気候変動への対策を話し合う国連の会議「COP26」が英国で開かれている。世界の森林破壊を2030年までに止めるとした目標に日本をはじめ105カ国・地域が賛同するなど協議が続く

 ▼温暖化で台風などによる自然災害の増加も懸念されている。美しい古里を次代に渡せるよう、一人一人ができることを考えて行動しよう。