3月に着任した中国の呉江浩駐日特命全権大使が21日、群馬県庁を訪れ、山本一太知事と懇談した。
呉大使は流ちょうな日本語で、日中関係の基礎となっている声明や条約など四つの「重要文書」のうち三つが、本県出身の首相の際に結ばれたと指摘。「中国と群馬県のつながりは深い。中国・大使館と、群馬県の交流に微力ながら努力していきたい」と述べた。
山本知事は、本県が上海に事務所を設けていることを紹介。さまざまな分野での連携を提案し、「群馬は東京から近く、観光資源や農畜産物、温泉などに恵まれている。プライベートでも訪れてほしい」と呼びかけた。
呉大使は本県に車で何度か訪れていると話し、「文化や産業、観光など幅広い分野で国民同士が相互交流できれば」と応じた。
記念品を交換し、山本知事は上越クリスタル硝子(みなかみ町)のウサギの置物をプレゼント。呉大使は季節の花が描かれた茶器を贈呈した。
呉大使は表敬訪問を前に群馬大を訪れて学生と意見交換したほか、知事と懇談後は県日中友好協会の総会にも出席した。
県地域外交課によると呉大使は大学で日本語を学び、中国外務省で日本語通訳を担当。駐日大使館で勤務経験がある。