開所式に出席した新井市長(中央)ら

 上水道を利用したマイクロ水力発電施設が群馬県内で初めて藤岡市藤岡の水道関連施設「南山配水池」に設置された。27日に現地で開所式が開かれ、行政や企業関係者らが完成を祝った。施設を活用し、脱炭素社会の実現につなげる。

 施設から4.5キロ離れた市中央浄水場(同市矢場)との間にある高低差約40メートルを利用して発電する。市によると、年間で一般家庭約70世帯分の使用量を発電でき、約108トンの二酸化炭素の削減効果が期待される。脱炭素社会の実現に向けた官民連携事業として昨年6月に着工した。

 空調事業などを手がけるダイキン工業の子会社、DK―Power(大阪府)が、市内を流れる上水道の余剰圧力に着目し、同社が費用を負担して発電設備を設置した。売電収入の一部と施設使用料などが市の財源になる仕組み。同社による設備の稼働は全国44カ所目という。

 新井雅博市長は式典で「事業を通じて環境問題に取り組む姿勢を市民に示し、市を挙げて環境先進市と言われるまちづくりをしたい」と抱負を述べた。